典拠となるところの明示[88]――セーガン『コンタクト』に色濃くも付きまとう
嗜虐的反対話法の臭いについての詳解として

関連情報にまつわるカテゴリ(各部クリックにて遷移)

奇怪なる予見的側面との結びつきについて細かくも先述してきたカール・セーガン小説『コンタクト』につきまとう嗜虐的反対話法の臭いについて 補説2

 前頁では([a]から[f]と分けもしての)一連の流れの中にての[c]と振っての段にあって


(ミリオンセラーを記録しての世界的ヒット小説である)カール・セーガン『コンタクト』(1985)と(米国文壇を代表するとの立ち位置にあった著名作家の手になる)カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』(1959)の両作品の間にあって「も」

[加速器によるブラックホール生成にまつわる先覚的言及を帯びているとの側面]
[911の事件の発生に対する先覚的言及と通ずる側面]

が見受けられる


とのこと、詳述してきた。

 以上、端的に振り返りもしたところで(頁をあらためての)当ページにては引き続き小説作品『コンタクト』にまつわっての奇怪なる側面を解説していくとの流れを維持する所存なのであるが、ただしもって、あまりにも微に入ってのことを申し述べもするとのことになるため、

[脇に逸れての話] ([a]から[f]と振っての一連の流れの中で[c]と振っての段を終えて[d]の段に入る前の脇に逸れての話)

との位置づけで[問題と定置されもするところ](「目が見え、耳が聞こえるならばだが、」もの問題と定置されもするところ)の解説をなしていくこととする。


以降、[c][d]と振っての段の合間の部にての「長くもなるも、」の問題提起をなすとして


 唐突となるが、

「カール・セーガン小説『コンタクト』(異常異様なる先覚性についてここに至るまで詳述をなしてきたとの作品)にあっては後半部、異星圏高度先進文明から送られてきた設計図に基づき完成した[マシーン]がその使用によって[ゲート構築装置]であると判明したと描写され、直後、装置使用者らが送られたとされる先が「数多くの」ブラックホールないしワームホール利用型の同様のゲート装置らがひとところに集まる銀河にあってのターミナル的なる場である、いわば、[グランド・セントラル・ステーション]のような場であるとの描写がなされている」

とのありようが

露骨な嗜虐的反対話法

とのからみで問題になるだけの側面がある(につき、[キーワード]となるのは問題となる記述を含むセクションの章題でもあるグランド・セントラル・ステーションである)。

 表記のこと、
[「数多くの」ブラックホールないしワームホール利用型の同様のゲート装置らがひとところに集まる銀河にあっての集散地がグランド・セントラル・ステーションと表されているところに反対話話法が問題になるところあり.」
とのことについてこれより詳述をなす。[第三者が容易に後追い確認できるとの典拠]に基づいてのみ話をなし、また、そちら典拠を逐次、懇切丁寧に指し示すとの本稿本義 (何度も何度も本稿内にて申し述べているように、「証」して「示」す、[証示]にとにかくも努める、そうした式にて[確たる事実]が[自分達を死地に追い込むまさしくものそのやりよう]として眼前に突きつけられてなおもって何もやらぬ者達に明日などあるわけがないとのことを訴求したい(そして、「[罪]の所在をつまびらやかにして[運命]の問題を確認しきりたい」)がゆえの本稿本義)に則りもして、である。

 まずもって、

[カール・セーガンの小説『コンタクト』にあってのブラックホールないしワームホール利用型の同様のゲート装置らの集う箇所がグランド・セントラル・ステーションと形容されている]

とのことが[文献的事実]であることを示すべくもの当該小説作品よりの引用を下になしておくこととする。


| 出典(Source)紹介の部82(2) |

 ここ出典(Source)紹介の部82(2)にあっては、

[カール・セーガン小説『コンタクト』にあってゲートの行き先が複数のブラックホールないしワームホールのゲート利用型装置らが行き交う[ターミナル]あるいは[グランド・セントラル・ステーション]のような場であると形容されている]

とのことの典拠を原文引用にて示しておくこととする。

(直下、邦訳版カール・セーガン『コンタクト』文庫版下巻(新潮社)208ページから209ページ、[裸の特異点]の章よりの掻い摘まむに掻い摘まんでの原文引用をなすとして))

トンネルは左右に大きく曲がりくねっていた。・・・(中略)・・・ふっと動揺がおさまった。見渡す限り、星または星だった。・・・(中略)・・・天空は光の氾濫だった。星間物質が大きく螺旋を描いているところもあった。形容を絶するばかりの巨大なブラックホールに宇宙塵が渦状に凝集しながら流れ込み、そこから夏の夜の熱雷にも似た放射が迸(ほとばし)っていた。・・・(中略)・・・十二面体から見下ろすその表面には、照明を浴びて数百、いや、数千の孔(あな)が口を開けていた。・・・(中略)・・・エリーはそれが宇宙船のドッキング・ポートであることを悟った。直径数メートルから数キロメートル、さらにはもっと大きなものまで、幾千もの形の違うドッキング・ポートが一カ所に集められているのであった。その一つ一つが、この十二面体と同じような星間宇宙船(マシーン)を受け入れるために建設されたものに相違なかった。体格の大きな人種の重厚なマシーンには大きなポート。地球人のように小柄な人種の華奢なマシーンには小さなポート。・・・(中略)・・・宇宙の雑多な人種が集まり散ずるこの場所は、まさに、グランド・セントラル・ステーションだ、と彼女は思った

(訳書よりの引用部はここまでとする ―※― )

(※ 尚、以上の原著CONTACTにあっての Naked Singularityの章(訳書では章立て構成が原著とは異なるが、原著ではChapter19)での表記は、検索エンジンに表記の英文テキスト入力することで文献事実であることをオンライン上より特定できようところとして、 A few of the turns were quite steep now.[ . . . ] Abruptly they were on a straightaway, and then the sky was full of stars. [ . . . ] The sky was blazing with nearby suns. She could make out an immense spiraling cloud of dust, an accretion dis apparently flowing into a black hole of staggering proportions, out of which flashes of radiation were coming like heat lightning on a summer's night.[ . . . ] Now they were flying over it. On its surface were hundreds, perhaps thousands, of illuminated doorways, each a different shape. [ . . . ] She realized they were docking ports, thousands of different docking ports--some perhaps only meters in size, others clearly kilometers across, or larger. Every one of them, she decided, was the template of some interstellar machine like this one.[ . . . ], but it implied a breathtaking diversity of beings and cultures. Talk about Grand Central Station! she thought.とのものとなる)

(続けて、直下、邦訳版カール・セーガン『コンタクト』文庫版下巻(新潮社)216ページから219ページ、[グランド・セントラル・ステーション]の章よりの掻い摘まむに掻い摘まんでの原文引用をなすとして)

五人は潮溜りを囲んで腰を降ろした。穏やかな波の音を聞きながら、エリーは<アーガス計画>で宇宙の囁(ささや)きに耳を澄ませた過ごした数年のことを思い出した。
・・・(中略)・・・
あらかた先方の仕事だねヴェイゲイは自分たちのこの体験についてエダと話し合ったことを他の三人に説明した。「こっちのプロジェクトがしたことと言えば、ただ、時空にあるかないかの小さな皺を寄せただけの話だよ。そこへ、向うはトンネルは繋げたんだ。多次元幾何学的空間を考えると、その時空の僅かな皺を見付けだすだって大仕事だよ。ましてや、そこへトンネルの口を開けるとなると、これは容易なことじゃない」「うん。つまりね。空間は位相幾何学的に複雑な形で連続しているわけなんだ。アボネバに言わせれば、これはあまり上手い譬(たと)えではないかもしれないけれども、片方に二次元の平面があると仮定しようか。これが先進文明の世界だよ。で、もう一つ、こっちに別の二次元平面がある。これは後進世界でね、二つの平面は迷路のような管で結ばれている。先進世界から限られた時間で後進世界へ行くには、その迷路を抜けるしかないんだ。ところで、先進世界の住人が先端に穴の開いた管を伸ばすとするね。その時、後進世界の方でそれに合わせて自分たちの平面にちょっと皺を寄せてやれば、そこへ管の先が届くであろう。これでトンネルが通じる」「つまり、先進世界はどうやって平面に皺を寄せるか、電波で情報を送って後進世界に指示を与えるわけね。でも、両方とも厳密に二次平面の世界だとしたら、皺を寄せるなんていうことができるかしら?
・・・(中略)・・・
「問題は」エダが控え目に口を挟んだ。「そのトンネルがブラックホールだとすると、非常な矛盾が生じるということなんです。アインシュタインの場の方程式にR・P・カーが与えた解によれば、たしかにトンネルができて、これをカー・ブラックホールと言っていますが、このトンネルはとても不安定でしてね。ほんの少しの擾乱で、たちまちトンネルは塞がって特異点に変わってしまいますから。何物もそこを通り抜けることはできないんです。わたしは極めて技術的に水準の高い文明が、陥没星の内部構造を制御して、トンネルを安定に保っているのではないか、というふうに考えてみました。
・・・(中略)・・・
「おまけに」エダが引き取って続けた。「カー・ブラックホールでは、因果律がめちゃくちゃに破られてしまうんです。ほんの僅かに針路が狂っただけで、飛び出したところはまだ宇宙がはじまったばかりということになりかねないとも限りません。例えば、ビッグ・バンのピコセコンド後かもしれないんです。宇宙はまだ、まったくの無秩序ですよ」

(訳書よりの引用部はここまでとする ―※― )

(※尚、以上の原著CONTACTにあっての Grand Central Stationの章(訳書では章立て構成が原著とは異なるが、原著ではChapter20)での表記は、検索エンジンに表記の英文テキスト入力することで文献事実であることをオンライン上より特定できようところとして、 The five of them sat together by a little tide pool. The breaking of the surf generated asoft white noise that reminded her of Argus and her years of listening to cosmic static. [ . . . ] "We think they did almost all the work." Vaygay was explaining his and Eda's thinking on what the five of them had experienced. "All the project did was to make the faintest pucker in space-time, so they would have something to hook their tunnel onto. In all of that multidimensional geometry, it must be very difficult to detect a tiny pucker in space-time. Even harder to fit a nozzle onto it." "What are you saying? They changed the geometry of space?" "Yes. We're saying that space is topologically non-sim-ply connected. It's like ―know Abonnema doesn't like this analogy― it's like a flat two-dimensional surface, thesmart surface, connected by some maze of tubing with some other flat two-dimensional surface, the dumb surface. The only way you can get from the smart surface to the dumb surface in a reasonable time is through the tubes. Now imagine that the people on the smart surface lower a tube with a nozzle on it. They will make a tunnel between the two surfaces,provided the dumb ones cooperate by making a little pucker on their surface, so the nozzle can attach itself." "So the smart guys send a radio message and tell the dumb ones how to make a pucker. But if they're truly two-dimensional beings, how could they make a pucker on their surface?" [ . . . ] "You see," Eda explained softly, "if the tunnels are black holes, there are real contradictions implied.There is an interior tunnel in the exact Kerr solution of the Einstein Field Equations, but it's unstable. The slightest perturbation would seal it off and convert the tunnel into a physical singularity through which nothing can pass. I have tried to imagine a superior civilization that would control the internal structure of a collapsing star to keep the interior tunnel stable. This is very difficult. The civilization would have to monitor and stabilize the tunnel forever. It would be especially difficult with something as large as the dodecahedron falling through."[ . . . ] "Ana finally," Eda continued, "a Kerr-type tunnel can lead to grotesque causality violations. With a modest change of trajectory inside the tunnel, one could emerge from the other end as early in the history of the universe as `you might like--a picosecond after the Big Bang, for example. That would be a very disorderly universe.とのものとなる)

 上にての一連の引用部に見るように、

グランド・セントラル・ステーション

との呼称で[ゲート装置](再述するが、小説『コンタクト』にあってのゲート装置はトラバーザブル・ワームホール、[通過可能なワームホール]にまつわっての科学考証の進歩・深化と表裏一体のものであるとのことが知られているものとなる)が行き着く先が形容されているとのことがある ――再引用すれば、(邦訳版表記)その一つ一つが、この十二面体と同じような星間宇宙船(マシーン)を受け入れるために建設されたものに相違なかった。体格の大きな人種の重厚なマシーンには大きなポート。地球人のように小柄な人種の華奢なマシーンには小さなポート。・・・(中略)・・・宇宙の雑多な人種が集まり散ずるこの場所は、まさに、グランド・セントラル・ステーションだ、と彼女は思った(原著表記) She realized they were docking ports, thousands of different docking ports--some perhaps only meters in size, others clearly kilometers across, or larger. Every one of them, she decided, was the template of some interstellar machine like this one.[ . . . ] The diversity of ports suggested few social distinctions among the sundry civilizations, but it implied a breathtaking diversity of beings and cultures. Talk about Grand Central Station! she thought.との部がそうである――。

出典(Source)紹介の部82(2)はここまでとする)


 次いで、問題視したきところとして、ではグランド・セントラル・ステーションとは何を由来とするところとして持ち出されている言葉なのか。

 に関してはニューヨーク(カール・セーガンの故地でもある)にあっての[プラットホームの数で群を抜く世界最大級のターミナル駅]の呼称が
グランド・セントラル・ターミナル
となっていることに起因する
と伺い知れるようになっている。

 直下、出典を参照されたい。


| 出典(Source)紹介の部82(3) |

 ここ出典(Source)紹介の部82(3)にあっては、

[グラウンド・セントラル・ターミナルないし[グラウンド・セントラル・ステーション]という鉄道駅がプラットホーム数で群を抜くものとしてニューヨークのマンハッタンに存在している

とのことの典拠を挙げておくこととする。

(直下、基本的なところとして英文Wikipedia[ Grand Central Terminal ]項目にての現行記載内容よりの掻い摘まんでの引用をなすとして)

Grand Central Terminal (GCT) is a commuter ( and former intercity ) railroad terminal at 42nd Street and Park Avenue in Midtown Manhattan in New York City, United States. Built by and named for the New York Central Railroad in the heyday of American long-distance passenger rail travel, it is the largest such facility in the world by number of platforms.
[ . . . ]
Although the terminal has been properly called “Grand Central Terminal” since 1913, it has "always been more colloquially and affectionately known as Grand Central Station", the name of the previous rail station on the same site, and of the U.S. Post Office station next door, which is not part of the terminal.

(引用部に対する訳として)
「グランド・セントラル・ターミナルは合衆国ニューヨーク市マンハッタンにてのミッドタウンにあっての42丁目とパーク・アヴェニューに存在する通勤者利用型(そして従前は都市間を結ぶ)鉄道駅となる。アメリカにての長距離電車旅行の絶頂期にあってニューヨーク・セントラル鉄道社(訳注:かつてアメリカの東海岸一帯の路線を建設・運用していた鉄道会社で後に合併を経て消滅/ the Centralなどとの呼び名でも知られる)によって建設・命名された同駅はプラットホームの数にてはその種の鉄道施設として世界最大とのものである
・・・(中略)・・・
同駅は1913年以降、正しくは[グランド・セントラル・ターミナル]との呼称をなされるものだが、同駅はまた常によりもって口語的に、かつ、愛着をもっての表現として[グランド・セントラル・ステーション]との名称 ――かつて同駅が置かれていた場所に存在していた駅の名にして駅の一部ではないものの隣に存在するとの合衆国郵便局の名となっているとの名称―― で知られてきたものである

(訳を付しての引用部はここまでとする)

 上の図は英文Wikipedia[ Grand Central Terminal ]にて公開されている[グランド・セントラル・ターミナル]こと[グランド・セントラル・ステーション]の入り口のひとつ(四二丁目側出入り口)ありようを写し描いているとの写真および図葉(双方ともに著作権放棄の表示を見ているとのもの)を挙げたものとなる。写真の方は ―前面に時代がかってのフォードT型モデル自動車らが複数台横付けされていることより想像がつくとの向きもあろうかと見るが― 20世紀の初期の駅ありようを写した写真となる。他面、イラストレーションの方はグランド・セントラル・ステーションの正面ありようを描いた図となる。

出典(Source)紹介の部82(3)はここまでとする)


 小説『コンタクト』にての

(最前にての引用部表記より一文のみ再引用するとして)
The diversity of ports suggested few social distinctions among the sundry civilizations, but it implied a breathtaking diversity of beings and cultures. Talk about Grand Central Station! she thought.[宇宙の雑多な種族が集まり散ずるこの場所は、まさに、グランド・セントラル・ステーションだ、と彼女は思った]

との記述に見る[グランド・セントラル・ステーション]の由来が

[世界最大級のターミナル駅と認知されているグランド・セントラル・ターミナル(グランド・セントラル・ステーション)というニューヨークの駅の名称]

にあると述べられるようになっている(現実世界でグランド・セントラル・ステーションといえばニューヨークのそちらの駅となっている)とのことの出典紹介を直上なしたとして、である。

 次いで、現実世界のグランド・セントラル・ステーションにあっての目立つところに配されている象徴物が

[マーキュリー(ギリシャのヘルメス神が似姿・役割そのままにローマの神へと転用されたとの商業神)を目立つように配した特徴的な大時計]

となっているとのこと、そのことにつき、「以降の指し示しに関わってくることである」との観点でもって以下解説していく。

 より具体的には、(現行、英文Wikipedia[ Grand Central Terminal ]項目にても写真込みで記載されているところとして)、グランド・セントラル・ステーションの建物頭頂部にあって

[ローマ商業神マーキュリーを極めて目立つように中央に配し、ミネルヴァ(ギリシャ神話のアテナ神のローマでの呼称)を正面から見た場合の右側に、ヘラクレスを左側に配しているとの Glory of Commerceとの名称と結びついた巨大時計 ―― Jules Coutanというフランス系著名彫刻家の手になる巨大時計―― ]

が建築物そのものを表象するアイコンとして存在していることの意味性を問題たることとして以下解説していくこととする(※)。

(※グランド・セントラル・ターミナルにここにて問題としているような目立っての象徴物が据え置かれていることについては Glory of Commerce、 Jules Coutan、 Mercuryなどと検索エンジンを入力すれば、分かり易い写真群がすぐに目に入ってこようことか、とは思うが、同象徴物については英文Wikipedia[ Grand Central Terminal ]項目にても現行、 Hercules, Minerva and Mercury, statuary by Jules-Felix Coutan, atop the terminal, with the MetLife Building behind.「メットライフ・ビルジングを背景にしての駅頭頂部にての Jules-Felix Coutanによるヘラクレス・ミネルヴァ・マーキュリーの像」と写真付されての解説がなされているところからもすぐに確認できるようなところとなっている ――その点、問題としている象徴物の作品名称が Glory of Commerce[商いの栄光]となっているのはニューヨークが資本主義の一個の中枢としての役割を担っていることを「商業神」マーキュリーの作品への使用をなしつつも強くも前面に押し出してのことであろうと当然に考えられるところではある―― )

 [問題となることを訴求したき象徴物]の特性を示し、なおかつ、[グランド・セントラル・ステーション ――小説『コンタクト』にてブラックホール・ゲートないしワームホール・ゲート構築装置が一斉に集まるところの名称としてその呼称が転用されているところの現実世界でのターミナル駅―― の結節ポイントとしての集積度合い]について強調すべくもの図像を挙げることとした。
 上掲図左側は英文Wikipediaにて Upper level (mainline) layout, showing a balloon loopと付されて掲載されているところのグランド・セントラル・ステーションのプラットホーム上階層概観図となる。同図でもってグランド・セントラル・ステーションにあっての路線結節集中度合いがいかようなものかはよくご理解いただけることか、と思う。
 上掲図右側は[問題となるところ]して提示することとしたオブジェ、 Glory of Commerceの概要を示すためのものである。

 さて、グランド・セントラル・ステーションの象徴そのものとなっているオブジェ Glory of Commerce、その中枢にて最も目立つように屹立しているとの存在、[蛇が二重螺旋構造状に巻き付く杖](カドゥケウスないしケリュケイオンとしての固有名詞が知られているもの)および[羽根飾りが左右についた帽子]でその似姿がよく認知されているとのマーキュリー(ギリシャのヘルメスのローマ化存在)という存在については

[商業神][盗人の神][旅人の神][魔術の神][伝令使]

といったよく知られた特性以外に、

[魂の案内人][百眼巨人を殺した存在

としての特性もが伴っていることは神話通にはよく知られている存在である。

 ポイントは[百眼巨人を殺した存在](としてのグランド・セントラル・駅の表象アイコンとなっているヘルメス・マーキュリーの特色)であると申し述べたうえでのこととして、以下、出典紹介部を参照されたい。


| 出典(Source)紹介の部82(4) |

 ここ出典(Source)紹介の部82(4)にあっては、

ヘルメスという存在(グランド・セントラル・ステーションにその象徴物が掲げられているローマ神マーキュリーと同一存在に比定されるギリシャ神話の神)がいかな存在か(なかんずく、[百眼巨人を殺した存在]であると伝わっているとはどういったことか)]

とのことにまつわる出典を挙げておく。

(直下、ギリシャ神話にあってのメジャーな神に対する基本的なところとしてそこよりの引用をなせば十分であろうと判断、英文Wikipedia[Hermes]項目よりの引用をなすとして)

Hermes (/ˈhɜrmiːz/; Greek: Ἑρμῆς) is an Olympian god in Greek religion and mythology, son of Zeus and the Pleiad Maia. He is second youngest of the Olympian gods. Hermes is a god of transitions and boundaries. He is quick and cunning, and moved freely between the worlds of the mortal and divine, as emissary and messenger of the gods, intercessor between mortals and the divine, and conductor of souls into the afterlife. He is protector and patron of travelers, herdsmen, thieves, orators and wit, literature and poets, athletics and sports, invention and trade. His attributes and symbols include the herma, the rooster and the tortoise, purse or pouch, winged sandals, winged cap, and his main symbol is the herald's staff, the Greek kerykeion or Latin caduceus which consisted of two snakes wrapped around a winged staff.In the Roman adaptation of the Greek pantheon (see interpretatio romana), Hermes is identified with the Roman god Mercury, who, though inherited from the Etruscans, developed many similar characteristics, such as being the patron of commerce.
[ . . . ]
[ Epithets of Hermes ]
[ . . . ]
Argeiphontes
Hermes's epithet Ἀργειφόντης Argeiphontes (Latin: Argicida), meaning "Argus-slayer", recalls his slaying of the hundred-eyed giant Argus Panoptes, who was watching over the heifer-nymph Io in the sanctuary of Queen Hera herself in Argos. Hermes placed a charm on Argus's eyes with the caduceus to cause the giant to sleep, after this he slew the giant. Argus' eyes were then put into the tail of the peacock, symbol of the goddess Hera. 

(訳として)
「ヘルメスはギリシャにての宗教体系・神話にて登場するオリンポスの神の一柱であり、ゼウス神とプレアデス姉妹らのうちのマイアとの息子たる存在である。ヘルメスはオリンポスの神々の中で二番目に若いとの存在となる。同ヘルメスは往路移動と境界の神であり、素早くも奸知に長け、死せる運命の人間の世界と神々の世界の間を神々の密使・伝令として自由に行き交い、人間らと神々の間の仲介者、死後世界にての魂の案内人となっている存在でもある。同ヘルメスは旅人・羊飼い・盗人・演説者、そして、機知・文学・詩作の保護者にしてパトロンとなっているとの存在でもある。彼ヘルメスの特性・象徴を示すものとしてはヘルマ(ヘルメス石柱像)・雄鳥・亀・財布ないし小袋・羽の生えたサンダル・羽の生えた帽子、そして、主たるところの象徴はギリシャ語呼称でのケーリュケイオンといい、ラテン語呼称でカドゥケウスとなるとの[二匹の蛇が羽の生えた柄を包み込むように配されている権威の象徴としての杖]である。ヘルメスはローマ神マーキュリー、エルトリア人から特性受け継ぎ、商業の保護者であるといった同じくもの特性を発展・付与されてきたとの同神と同一存在とされる
・・・(中略)・・・
[ヘルメス別名]
・・・(中略)・・・
アルゲイポントス
ヘルメスの通り名の一つはアルゲイポンテース(ラテン語Argicida)とのものでその意味するところは[アルゴス殺し]となり、それはヘルメス神がアルゴスにあっての女王ヘラ自身の聖域にあって雌牛と化していたイオの見張り番をしていた百眼巨人アルゴス(アルガス)を殺したとのことに因っている。ヘルメスはカドゥケウスの杖でもって百眼巨人アルゴスの目を幻惑して同巨人を眠りへと誘い、その後、同巨人を殺害した。アルガスの目はそれからクジャクの尾羽へと移植され、女神ヘラのシンボルになった

(訳を付しての引用部はここまでとする)

出典(Source)紹介の部82(4)はここまでとする)


 以上、ここまでにて

「カール・セーガン小説『コンタクト』では[グランド・セントラル・ステーション]の呼称を付された[(ブラックホールないしワームホールの穴で空間を貫通させるとの)マシーンらが行き交う場所]に登場人物らが到達するとの筋立てがみとめられる外宇宙文明とのコンタクトの帰結は[カー・ブラックホールないしワームホール利用マシンの行き交うグランド・セントラル・ステーション到達]であったとの粗筋がみとめられる、でもいい)

小説に見るグランド・セントラル・ステーションの由来はニューヨークはマンハッタンに存在するプラットホームの数では群を抜いているとの現実世界最大規模の鉄道駅グランド・セントラル・ターミナル(グランド・セントラル・ステーション)を指し示す固有名詞に由来すると自然に解されるようになっている」

ニューヨークはマンハッタンの表記の鉄道駅グランド・セントラル・ターミナルの象徴とでも述べるべき巨大時計はマーキュリー(ヘルメス)と結びつくものとなっており、そちら蛇の杖で知られるマーキュリー(ヘルメス)は百眼巨人アルゴスを催眠術で眠らせ殺害した存在であると伝わっている神でもある

とのことを順々に指し示していった。

 ここからがカール・セーガンやりようの問題性に関わるところの話となるのだが、以上のようなことが摘示できるようにもなっている中、小説『コンタクト』にあってはその作中、

百眼巨人アーガス(アルゴス)の名を冠する[アーガス計画]なる電波探査計画の結果、外宇宙からの電波受信をなし、その電波受信状況にて[マシーン(それが完成・作動させられるまでどういった用途のものか遅れた人類文明には理解が及ばなかったとのマシーン)の設計図が暗号として含まれていることに気付いた人類がマシーンを構築、マシーンが何たるかも理解出来ずにマシーン搭乗員(たる人類の代表)をグランド・セントラル・ステーションに送り込む

との設定を採用しているとのことがある。

 とすれば、――余程注意深く物事を見、なおかつ、ニューヨークの地理的特性と細かい神話上のあれやこれやに通じているとの人間でなければ想像も及ばないことか、とは思うが(逆を述べれば、[一]小説『コンタクト』の内容を注意深く読み解いている[二]ギリシャ神話について詳しい[三]ニューヨークの地理的特性をある程度把握しているとの[一]から[三]との要件を具備していれば、気付けもすることとはなる.(が、しかし、この世界では人類の過半、99%を優に越えてもなおもってあまりあり、小数点も何桁にも迫ろうとの比率の人間ら、満足に自律的思考作用を呈しているのかも疑わしいとの向きらはそうしたことに理解が及ぶだけの注意力(視野角の広さに依存しての能力)を何ら有して「いない」との節もあるにはある)―― カール・セーガンという男が世に出したベストセラー小説『コンタクト』については次のようなことが述べられるようになる。

[百眼巨人[アーガス]を殺したのが他ならぬマーキュリーであるとされているのが神話である。とすると、殺される側の者の名を冠した計画](百眼巨人アーガスの名を冠するアーガス計画を進めている人類が殺す者の側にて表象される場所](百眼巨人アーガスを殺傷したことで知られるヘルメス・マーキュリーにて目立って表象されているグランド・セントラル・ステーション)の元へとのこのこと足を運ぶように仕向けられているとの一連の流れが当該小説では隠喩的に、だが、関連するところの知識さえ有していれば、露骨にと感じられる式にて描かれているとの理解も出てくる] (:筆者が我が同族ながらも人間存在というものにほとほと失望しきったとの状況の一歩手前にある理由は本稿にて摘示につとめているような一連の物事の部分的側面、の中の、ほんの一部にさえ満たないとのここで表記しているようなことだに実証的に指摘しようとの人間が「世界中で」誰一人として[いない]ことである(これより情報の発信日付けなどを偽っての漢字二字の罵倒語が相応しいような相応の類による[説得力など欠片も無い、であるからこそ、煙幕として撒布されている節ありといった紛い物]が登場を見る可能性もあるか、と見はしているが)。といったことがあることにつき、それが果たして世を憂えた「気になっている」とのパラノイド(体系的妄想患者)の戯れ言で済むか、よくよくも本稿全体の内容を検証してもらいたいものでもある)

 その点、以下、小『コンタクト』(再三再四述べるが、それに伴う予見性を指摘してきたとの小説であり、その予見性がゆえに問題となるとの作品でもある)にあって[ゲート装置構築に結実した外宇宙由来の電波受信]につながったと描写される[外宇宙に向けての異星文明探査計画]が作中、[アーガス計画]という名に設定付けられているとのことについての典拠紹介を以下、なしておくこととする。


| 出典(Source)紹介の部82(5) |

 ここ出典(Source)紹介の部82(5)にあっては

[小説『コンタクト』にあっての外宇宙よりの電波受信に繋がった外宇宙電波受信計画がアーガス計画との名称を振られているものである]

とのことの典拠を挙げておくこととする。

(まずもっては直下、英文Wikipedia[Contact (novel)]項目にての現行記載内容を抜粋するとして)

After graduating from Harvard, Ellie receives a doctorate from Caltech supervised by David Drumlin, a well known radio astronomer. She eventually becomes the director of "Project Argus", a telescope array in New Mexico dedicated to the search for extraterrestrial intelligence (SETI). This puts her at odds with most of the scientific community, including Drumlin who tries to have the funding to SETI reduced. To his surprise, the project discovers a repeating series of 26 prime numbers coming from the Vega system 25 light years away.

(訳として)
「ハーバードを卒業した後、エリー(小説『コンタクト』主人公)はデヴィッド・ドラムリン、(小説作中にての)著名な電波分析専門の天文学者に監督されるところとしてカリフォルニア工科大学で博士号を取得した。彼女エリーは結果的に外宇宙生命体の探査をなすプロジェクト(SETIプロジェクト/SETIプロジェクト自体は実在している)に専心するとのニュー・メキシコにあってのアーガス計画、一群の望遠鏡(を用いての探査計画)の責任者となるに至った。そうした挙は彼女をしてエリーの師匠筋にあたるドラムリン、SETIプロジェクトの予算を削減するよう努めていたとの同男が含まれているところの[科学界主流筋に対するはみ出し者](扱いの立ち位置)に彼女を追いやることとなる。ドラムリンが驚嘆を呈したところとして、だが、同計画(アーガス計画)は25光年彼方のヴェガ星系からやってきたとの[26の一群の素数(と解されるところ)の繰り返し(を表象するところのシグナル)]を発見する運びとなった

(訳を付しての引用部はここまでとする)

 以上の内容に関わる小説内表記については本稿の先の段、[布石]となりもすることを示めさんとしてきたとの出典(Source)紹介の部66でも同じくもの点に関わるところを原著および訳書のCONTACTより引用なしていたとの事前経緯があるのでその部よりの「再引用」とのかたちでの引用をなしておくこととする。

(直下、『コンタクト(上)』(新潮「文庫」版 ――池央耿/高見浩訳―― 、重版重ねての第六刷版)にあってのp.103-p.105よりの掻い摘まんでの原文引用をなすとして)

彼は管制室に入った。電波探査のプロセスをモニターしている十二のテレビ・スクリーンを、ひとわたり見まわす。<アーガス>はヘルクレス座を調べ終えたばかりのところだった。地球から数億年も離れている、銀河系のはるか彼方にある広大な銀河の群、ヘルクレス銀河団の中心部をのぞいたのである。二万六千光年彼方の、銀河系をめぐる軌道に沿って移動している、重力的にかたまった約三十万個の星の群れ、M-13にも照準をしぼってみた
・・・(中略)・・・
望遠鏡の何台かは、依然ヘルクレス座にむけられている。聞きのがしたデータがあったら、拾い直すためだ。残りの望遠鏡はすべて、その隣の天空領域、ヘルクレス座の東の星座にむけられている。いまから数千年前、東地中海に住んでいた人々の目に、その星座は絃(げん)を張った楽器のように見えたらしく、ギリシャ人のカルチャー・ヒーロー、オルフェウスと結びつけられた。その星座は"こと座"と呼ばれている
・・・(中略)・・・
声が急にうすれて制御台に目が吸いよせられた。突然、警告灯が眩く点滅しはじめたのだ。"強度VS周波数"と記されたディスプレイ上で、垂直の棒線が急上昇しつつあった
おい、見ろよ、単色信号だぜ
"強度VS時間"と記された、別のディスプレイでは、ひとまとまりのパルスが左から右に流れてスクリーンから消えている
これは数字だな」ウィリーが、かすれた声で言った

(訳書よりの引用部はここまでとする ―※― )

(※以上の原著CONTACTにあっての Prime Numbersの章(原著でのChapter4)での表記は、検索エンジンに表記の英文テキスト入力することで文献事実であることをオンライン上より特定できようところとして、 The duty officer entered the control area. He made a quick survey of dozens of television screens monitoring the progress of the radio search. They had just finished examining the constellation Hercules. They had peered into the heart of a great swarm of galaxies far beyond the Milky Way, the Hercules Cluster--a hundred million light-years away; they had tuned in on M-13, a swarm of 300,000 stars, give or take a few, gravitationally bound together, moving in orbit around the Milky Way Galaxy 26,000 light-years away; [ . . . ] A few of the telescopes, the duty officer could see, were devoted to picking up some missed data in Hercules. The remainder were aiming, boresighted, at an adjacent patch of sky, the next constellation east of Hercules. To people in the eastern Mediterranean a few thousand years ago, it had resembled a stringed musical instrument and was associated with the Greek culture hero Orpheus. It was a constellation named Lyra, the Lyre.[ . . . ] His voice trailed off as an alarm light flashed decorously on the console in front of them. On a display marked "Intensity vs. Frequency" a sharp vertical spike was rising."Hey, look, it's a monochromatic signal." Another display, labeled "Intensity vs. Time," showed a set of pulses moving left to right and then off the screen. "Those are numbers," Willie said faintly. "Somebody's broadcasting numbers."とのものとなる)

(※2:またもってして記述するが、小説Contact(1985)の Project Argusに名称由来をもつようにとれる計画として【SETI(地球外知的生命体探査)プロジェクト】というものの一環でアーガスの呼称を冠する望遠鏡群が探査活動に投入される予定のことが取り沙汰されているが(1990s、90年代よりそういうことが取り沙汰されているが)、 Robert S. Dixonという名前のオハイオ州立大の科学者が関わっているそちら挙動と小説『コンタクト』登場時期(85年)について物事の先後関係を見誤らないように注意されたい

出典(Source)紹介の部82(5)はここまでとする)


 さて、個人主観など問題にならぬところの[文献的事実]の問題として

[[アーガス]を殺したのが他ならぬマーキュリーであるとされていることがあるのが神話である。とすると、[殺される者の名を冠する計画](アーガス計画)を進めている人類が[殺す者](グランド・セントラル・ステーションのマーキュリー)の元へのこのこと足を運ぶための一連の流れが小説では隠喩的に描かれている]

とのことが述べられるようになっていることにつき、
問題なのは、」
そうした隠喩性が果たして[偶然の悪戯]で現出を見ているものなのか、仮にそれが[偶然の悪戯]ではない(と判断できるだけの事情がある)のならば、その具現化力学・意図は奈辺にあるのか、ということである
(筆者がおかしなことを述べているのかどうかこのレベルからしてよく考えていただきたいものではある)。

 ここで筆者がわざわざこのような微に入っての話をなしている世間一般から見れば、たかだか一フィクションの細かい設定を延々云々するなど余程のその方面の好事家のやりよう、そうでなければ、愚人の挙と映ろうとのことを理解したうえでわざわざもの微に入っての話をなしているとの理由に関わるところとして ――もうすでにカール・セーガンとその「盟友」キップ・ソーンのやりようとの絡みで理由は十全に訴求してきたつもりなのだが―― 次のことらについてさらなる訴求をなすべくもの話をなしていくこととする。


第一。[表記のような隠喩性が感じられる側面 ―[人類の推し進める「アーガス」計画]の帰結が神話にて百眼巨人「アーガス」を二匹の蛇が巻き付く杖にてメスメライズ(眩惑)なして殺したと伝わるマーキュリー(ヘルメス)と結びつくグランド・セントラル・ステーションブラックホール・ワームホールの類が用いられてのゲート装置の集散地たるグランド・セントラル・ステーションへの到達となっているとのことにまつわる隠喩性が感じられる側面― が現出を見ていることについては「諸々の「他の」事情より偶然の悪戯では済まないと述べられるようになっている]

第二。[表記のような隠喩的側面が現出を見ていることについてはそれが[偶然の一致]でないと判じられる(上記第一の理由)一方で、だがしかし、[『コンタクト』作者カール・セーガンの「個人レベルの」属人的やりようの問題]で済まされるものでもないであろうと述べられるよう「にも」なっている]


 まずもって


第一。[表記のような隠喩性が感じられる側面 ―[人類の推し進める「アーガス」計画]の帰結が神話にて百眼巨人「アーガス」を二匹の蛇が巻き付く杖にてメスメライズ(眩惑)なして殺したと伝わるマーキュリー(ヘルメス)と結びつくグランド・セントラル・ステーションブラックホール・ワームホールの類が用いられてのゲート装置の集散地たるグランド・セントラル・ステーションへの到達となっているとのことにまつわる隠喩性が感じられる側面― が現出を見ていることについては諸々の「他の」事情より偶然の悪戯では済まないと述べられるようになっている]


とのこととの兼ね合いで何が指摘できるようになっているかについての話をなす。については、次の[1]から[3]のこと、それらが正しきところの申し分と客観的に示される際に[偶然]で物事が済まされるのか、よくよくも考えていただきたいものである。

(以下、これより委細となるところの典拠を指し示していくところとしての[1]から[3]として)

[1]小説『コンタクト』(1985)にあっては
[ブラックホール・ゲートないしワームホール・ゲートを開くものであると(使用によってはじめて)判明したマシーン]
の建設挙動が作中、
トロイアを滅ぼした木製の馬の招き入れ
に何度も仮託されている(先だっての段にあって原文引用にて示しているように『コンタクト』では正十二面体構造をとるマシーンが10回以上、[トロイアを滅した木製の馬]に仮託されている)。 
 そうした小説にあっての[マシーン]の建設につながったアーガス計画の名がそちらに由来する百眼巨人の名アルガス(アルゴス)だが、同じくもの名(アルガス・アルゴス)は
百眼巨人を指すとの名詞
以外のものとして古典に「まったく同じくものギリシャ語の綴りで」よくも登場を見ており、それは
トロイアを滅ぼしたギリシャ勢の総称にして別称(アルゴス勢)
トロイアに引導を渡した木製の馬の計略を考案した男オデュッセウスの忠犬の名前

であったりする。
[トロイア]と[アルゴス](アーガス)との名称は古典で「極めて」親和性強くも結びつくようになっているのである。
 そして、(繰り返すが)小説『コンタクト』ではトロイアを滅した木製の馬に何度も仮託されているとの
向こう側よりの指示でこちらより構築せねば、ゲート構築ができないとの時空の歪みを発生させる装置]
が登場を見ているとのことがある ――直近の出典(Source)紹介の部82(2)にて引用のようにうん。つまりね。空間は位相幾何学的に複雑な形で連続しているわけなんだ。アボネバに言わせれば、これはあまり上手い譬(たと)えではないかもしれないけれども、片方に二次元の平面があると仮定しようか。これが先進文明の世界だよ。で、もう一つ、こっちに別の二次元平面がある。これは後進世界でね、二つの平面は迷路のような管で結ばれている。先進世界から限られた時間で後進世界へ行くには、その迷路を抜けるしかないんだ。ところで、先進世界の住人が先端に穴の開いた管を伸ばすとするね。その時、後進世界の方でそれに合わせて自分たちの平面にちょっと皺を寄せてやれば、そこへ管の先が届くであろう。これでトンネルが通じる」「つまり、先進世界はどうやって平面に皺を寄せるか、電波で情報を送って後進世界に指示を与えるわけね。でも、両方とも厳密に二次平面の世界だとしたら、皺を寄せるなんていうことができるかしら? (右に対応する原著表記) "Yes. We're saying that space is topologically non-sim-ply connected. It's like ―know Abonnema doesn't like this analogy― it's like a flat two-dimensional surface, thesmart surface, connected by some maze of tubing with some other flat two-dimensional surface, the dumb surface. The only way you can get from the smart surface to the dumb surface in a reasonable time is through the tubes. Now imagine that the people on the smart surface lower a tube with a nozzle on it. They will make a tunnel between the two surfaces,provided the dumb ones cooperate by making a little pucker on their surface, so the nozzle can attach itself." "So the smart guys send a radio message and tell the dumb ones how to make a pucker. But if they're truly two-dimensional beings, how could they make a pucker on their surface?"(邦訳書および原著よりの引用部はここまでとする)との表記がなされている―― )。

[2](上の[1]にて言及のように)トロイア崩壊力学とトロイア攻囲サイドのギリシャ勢総称(アルゴス勢)を通じても結びつく百眼巨人 Argus Panoptesアルガス(アルゴス)の名を冠してのゲート設計図受信につながった計画が描かれての小説『コンタクト』をものしたカール・セーガンという男、そのセーガン本人がトロイアを木製の馬で滅ぼしたオデュッセウスと結びつく(結びつけられている)人間となっている。カール・セーガンについてはオデュッセウスUlyssesの故郷たるイサカ(Ithaca) ――オデュッセウスがそこに帰り着くまで苦難の旅をなしていたとの故郷―― に依拠してその地名が付されたニューヨークの一地域[イサカ]と非常に深くも縁があるとの人物となっている。より具体的にはカール・セーガンはニューヨークのイサカ(オデュッセウスがそこを目指して旅したとされるその領地イタカ・イサカから命名されているとのことが地名由来としてあるとのニューヨーク一地域)に埋葬されることになっており、また、カール・セーガン事績を讃えるべくもの記念碑的一区画がニューヨークのそちらイサカに設けられているとのことがある

[3]カール・セーガンが生前、関わったところの電波受信活動とワンセットになった外宇宙知性生命体探査計画たるSETIプロジェクト、その一貫としてサイクロプス計画というものが(フィクションならぬ)現実世界で計画されていたとのことがある。 同計画は結局は頓挫したとの70年代計画だが、そのサイクロプス(キュクロプス)計画、後続する小説『コンタクト』(1985)に見る架空のアーガス計画が[百目巨人の目による探査計画]となろうものであるのに対して[一つ目巨人の目による探査計画]と言い換えられるようなものである。 さて、アルゴスがあまねくも百の目でものを見る巨人であるのに対して、一点集中、一つ目でものを見るというサイクロプスという巨人(フィクションに見るアーガス計画に影響を与えたようであるサイクロプス計画名称由来となっている巨人)がどういった存在かと述べれば、[トロイアを木製の馬で滅ぼした男、オデュッセウスの冒険譚たる『オデュッセイア』に登場の[オデュッセウスに一つ目を潰された一つ目巨人]となっている。 他面、アーガスとは(ここに至るまでの出典紹介部にて示したように)[ヘルメスに目を瞑(つむ)らされて殺された百目巨人]となっているとのことがある。 (一つ目であれ百眼であれ)自慢の目を台無しにされた巨人関連の外宇宙電波探査計画][トロイア関連サイクロプスとトロイアの破壊者オデュッセウスの接合/[1]で触れたところのアルゴスとの名称とトロイア破壊者アルゴス勢の接合とのことで無論、話がつながる。 のみならず、(余程の神話通でなければ考えも及ばないことかとは思うが)、オデュッセウス(サイクロプスの目を潰した木製の馬の計略の考案者)に関しては ――カール・セーガン『コンタクト』のマシーン到達地点[グランド・セントラル・ステーション](の現実世界での比定地)と結びついているとのことにつき先述の[マーキュリー]と同一存在であるとされる―― [ヘルメス](アーガスの目を瞑(つむ)らせた神)の血族であるとのことが語り継がれてきた男であるとのこともまたある。

 表記のことら[1]から[3]の(解説未了であるところの)典拠を下に挙げる。


| 出典(Source)紹介の部82(6) |

 ここ出典(Source)紹介の部8にあっては長くもなるが、直上の段にて[1]から[3]と頭に振って呈示しもしたことら(にあっての解説未了部)の典拠を順次挙げていくこととする。

 まずもっては

[1]小説『コンタクト』(1985)にあっては
[ブラックホール・ゲートないしワームホール・ゲートを開くものであると(使用によってはじめて)判明したマシーン]
の建設挙動が作中、
トロイアを滅ぼした木製の馬
に何度も仮託されている(先だっての段で原文引用にて示したように『コンタクト』では正十二面体構造をとるマシーンが10回以上、[トロイアを滅した木製の馬]に仮託されている)。 
 そうした小説にあっての[マシーン]の建設につながったアーガス計画の名がそちらに由来する百眼巨人の名アルガス(アルゴス)だが、同じくもの名(アルガス・アルゴス)は
百眼巨人を指すとの名詞
以外のものとして古典に「まったく同じくものギリシャ語の綴りで」よくも登場を見ており、それは
トロイアを滅ぼしたギリシャ勢の総称にして別称(アルゴス勢)
トロイアに引導を渡した木製の馬の計略を考案した男オデュッセウスの忠犬の名前

であったりする。
[トロイア]と[アルゴス](アーガス)との名称は古典で「極めて」親和性強くも結びつくようになっているのである。
 そして、(繰り返すが)小説『コンタクト』ではトロイアを滅した木製の馬に何度も仮託されているとの
向こう側よりの指示でこちらより構築せねば、ゲート構築ができないとの時空の歪みを発生させる装置]
が登場を見ているとのことがある

とのことにまつわる典拠を挙げることとする。

 具体的には百眼巨人の名(ArgosないしArgus) が

[トロイアを滅ぼしたギリシャ勢の総称にして別称]
[トロイアに引導を渡した木製の馬の計略を考案した男オデュッセウスの忠犬の名前]

ともなっていることの典拠を挙げることとする。

 最初に
[トロイアを滅ぼしたギリシャ勢の別称]
が百眼巨人アルガス(ギリシャ語綴り:Ἄργοςと同じくものArgos(ギリシャ語綴り:Ἄργος)となっていることについてからであるが、トロイア包囲に携わったギリシャ軍の総大将がアガメムノンという男となっており、そのアガメムノンがギリシャの都市国家アルゴス ―百眼巨人アルゴスが牛に変じたゼウスの愛人を見張っていた場と親和性高い地― の王となっていたことから指摘する必要があろうかと思う(:より本質的なところとしてはトロイア戦争にて[Achaeansアカイア勢]とも呼ばれていたギリシャ勢の多くが[Argolis]と呼ばれる古代の特定領域(都市国家アルゴスを包摂する領域)にての産であったために[アルゴス勢](英語表記では[Argives]とも)と呼ばれていたことがあるとされるのだが、アガメムノンがアルゴス王となっていたことに的を絞ってまずもっての摘示をなしておくこととする)

アガメムノン、トロイア攻めをなしたギリシャ軍の総大将がアルゴスの王となっていることについては Project Gutenbergにあって全文ダウンロードできるとの
Carleton's Condensed Classical Dictionary(1882)
にあっての[Agamemnon]項目にあって
king of Mycena and Argos, was brother to Menelaus, and son of Plisthenes, the son of Atreus. He married Clytemnestra, and Menelaus Helen, both daughters of Tyndarus, king of Sparta. When Helen eloped with Paris, Agamemnon was elected commander-in-chief of the Grecian forces invading Troy.「(アガメムノンは)ミケーネ・アルゴスの王であり、メラネラーオスの兄にして、プリステネスの子ないしアトレウスの子である。彼アガメムノンはクリュタイムネストラーと婚儀を交わし、そして、アガメムノン弟のメラネーオスは同文にスパルタ王ティンダレーオスの娘であるヘレンと婚儀を交わした。ヘレンが(トロイアの皇子たる)パリスと駆け落ちしたとき、アガメムノンはトロイア侵略をなすギリシャ軍の総大将に選出された」(引用部訳はここまでとする)
と記載されているとおりである(:別段、蒼古とした19世紀の古典知識揺籃書籍からの引用をなす必要もなかったのだが、「いくらその伝では誤謬がないと確認している」と強調しても、ウィキペディア程度のような媒体から頻繁に引用していると相応の権威主義的な者達 ―「大学教育の現場ではウィキペディアを引用する学生は望ましくはないとみなされる」といった部分的に至当なることを「赤信号で道を渡るのはよろしくはない」などと車が全く通っていない閑散としたところにて、しかも、範を示すべくもの年端もいかぬ子供の目もないところで往来で転倒する可能性などない頑健な者に対してほざくような式でやたらと強調したがるような向き― に軽侮を買うこともあろうかと見、敢えてここでは(ウィキペディアのような誤記を多く含み、また、内容も易変するとの媒体ではなく)内容不変なる誰でも確認可能な古書に見る記述からの抜粋をなすことととした)。

 その点、都市国家アルゴスにまつわるものとして和文ウィキペディア[アルゴス (ギリシャ)]項目にてはかなりもっての講学的かつ専門的な解説として下のような記述が現行にあってはなされてい(のでそちらも引いておくこととする)。

(直下、和文ウィキペディア[アルゴス (ギリシャ)]項目よりの引用をなすとして)

アルゴスからミケーネに向かって45スタディア(約8.3km)のところに、新石器時代の居住区があり、その近くにアルゴリア地方の中央聖域がある。この聖域はヘーラー( Argivian Hera )を祀ったもので、この神殿(寺院)の主な祭はヘカトンベー(100匹の牛を生贄に捧げること)だった。ヴァルター・ブルケルトはその著書 Homo Necansの中でこの祭をヘルメースによる百眼の巨人アルゴス暗殺の神話と結びつけているが、かつては、ヘルメースの異名「アルゲイポンテース(Argeiphontes)」(早い時期から「アルゴスを殺した者」として理解されていた)という言葉は、実際には、インド・ヨーロッパ祖語のarg-*arǵ-、転じてargyrosは銀の意味)を語源とする形容詞のargos(ちらちら光る、動きの速い)で、「明るく輝く」またはそれに類似する意味を持ち、地名や百眼の巨人アルゴスとの関係は二次的なものに過ぎないという推論があった

(引用部はここまでとする ―※― )


※上引用部に見るドイツのギリシャ学者 Walter Burkertヴァルター・ブルケルトの Homo Necans(邦題『ホモ・ネカーンス 古代ギリシャの犠牲儀礼と神話』(法政大学出版局)) ― Homo Necansとは[殺す者]を意味するラテン語である― については

[アルゴス号にて黒海を旅した英雄らの物語](ギリシャ神話にあっての諸種英雄譚の英雄が一同に集まり活躍するとのギリシャ伝承にあってのクロスオーバー的作品である『アルゴナウティカ』)

との関係性との絡みでかねてより思うところがあったこともあり表記のようなウィキペディア記述を参照したことで知的好奇心がいざなうまにまに読了をなしているとのことがあるのだが、同著にては確かに

「アルゴスからミケーネに向かって45スタディア(約8.3km)のところに、新石器時代の居住区があり、その近くにアルゴリア地方の中央聖域がある。この聖域はヘーラー( Argivian Hera )を祀ったもので、この神殿(寺院)の主な祭はヘカトンベー(100匹の牛を生贄に捧げること)だった。ヴァルター・ブルケルトはその著書 Homo Necansの中でこの祭をヘルメースによる百眼の巨人アルゴス暗殺の神話と結びつけている」

との趣旨の記載がなされている。
 そちら[アルゴス(トロイア戦争時のギリシャ軍総称とも結びついている地)]と[百眼巨人アーガス(アルゴス)]のつながりにまつわるところの引用をも下になしておく。

(直下、訳書『ホモ・ネカーンス 古代ギリシャの犠牲儀礼と神話』(法政大学出版局刊行)[第三章 解体と新年祭](2アルゴースと"アルゴスを殺す者"(アルゲイフォンテース))の下り、p.163からp.166にての内容を「掻い摘まんで」引用なすところとして)

「アルゴスの町はギリシア史では、近隣のスパルタに圧倒されて副次的な役割しか果たせなくなってしまった。また文化的にもアテーナイの影に隠れてしまっている。したがって、幾何学的様式からアルカイック期に至るまでのアルゴスの力強い展開は、歴史時代に入ってからの停滞と恒常化した危機的状況と対照的である。ホメーロス叙事詩ではギリシア人は単純に"アルゴス人"または"ダナオス人"と呼ばれ、ギリシャ神話は特別の密度でアルゴス地方(アルゴリス)に集中している。この地方にはミュケーネ時代の王城が肩を並べて屹立していた・・・(中略)・・・アルゴスの町から四十五スタディオン・・・(中略)・・・この聖域での主祭礼は同時にまたアルゴス市の大祭にも当たるわけだが、"ヘカトンパイア祭"とも、"ヘーライア祭"とも呼ばれている。・・・(中略)・・・ヘーライア祭が新年祭だとすれば、"解体"の祭り、おそらくは牡牛の供儀がそれに先行しなければならなかったはずである。パウサニアースはヘーラー女神の聖域に至る途上にあった、"エレウテリオンの水辺"について記している。女祭司たちはその水を「浄化のための供儀、そして供儀の中でもとりわけて秘められた犠牲奉献のために用いた」。つまり、"名状しがたい"犠牲はたしかに存在し、そのためにこの決められた泉から水が汲まれたのである。・・・(中略)・・・アルゴスの神話もまた犯罪を知っていたが、こちらは神々の間で起こった最初の殺人事件である。それはヘルメース神によるアルゴスの殺害だった。アルゴスはゼウス神の恋するイーオーが変身させられてしまったのでヘーラー女神の聖域でその牛の番をしていた。つまり画期となったこの暴力行為はヘーライオンの欠かせない一契機であったということになる

(訳書よりの掻い摘まんでの引用部はここまでとする)

(:多少補いつつも要約して上の引用部の趣旨を示せばこういうことである。

「ホメロースが全ギリシャ人にその名を冠せしめたとの都市アルゴスの領域にあっては女神ヘーラーを祭る祭り(ヘーライオン)が執り行われていた。その祭りヘーライオンには古代の文人パウサニアースの手になる古典それそのものの記載から「100匹の」牛の生贄供儀が影響していると考えられるが、ギリシャ伝承にあっては妻ある身でありながらゼウスの恋慕した女人イーオーをゼウスの妻たる女神ヘーラーが牛に変身させたとの有名なエピソードが存在しており、そのイーオーが変じての牛を番をする存在としての百眼巨人アルゴスが登場を見ているその百眼巨人アルゴスをヘルメスが殺害しているとのことがあるわけだが、といった神による原初的殺害行為に関する言い伝えの伝がアルゴスの地での100匹の牛の奉献とも関わる直上にて言及のヘーライオン(ヘーラーの祭り)の一契機となっていると考えられる」
 以上のようなことをドイツ ――現在でもその一部ギムナジウムでギリシャ古典の学習が強いられているようなお国柄、(それが虚偽の歴史の上に構築された偽物であろうとなかろうと)欧州のルーツを重んじているとの国家ドイツ―― のギリシャ専門家ヴァルター・ブルケルトは述べているのである)


 さらにもってして

[トロイア包囲サイドを(百眼巨人アルゴス・アーガスと同一の語句となる)アルゴスを冠してのアルゴス勢と呼び慣わすとの慣行がある]

とのことについてのよりもっての典拠を挙げておくこととする。

 その点、[トロイアに対する攻撃サイド]がアルゴスとの名称と結びつくことについては英文Wikipedia[Achaeans (Homer)]項目([アカイア勢(ホメロス)]項目)にての現行記述では
「ホメロス叙事詩『イリアス』にあっては攻め手ギリシャ勢を指す呼称としてのAchaeans[アカイア勢]との言葉が598回、Argives[アルゴス勢] ――それにつきArgives inhabitant of the city of Argos[アルゴスの住人][古代ギリシャ人]といった意味合いの言葉であると[辞書などにて記載されている]ことはオンライン上より労せずに確認いただけることか、と思う―― との言葉が182回用いられている
との趣旨の表記がなされている(:同項目,英文Wikipedia[Achaeans (Homer)]項目より引用なせば The Achaeans (/əˈkiːənz/; Ancient Greek: Ἀχαιοί Akhaioí) constitute one of the collective names for the Greeks in Homer's Iliad (used 598 times) and Odyssey. The other common names are Danaans (/ˈdæneɪ.ənz/; Δαναοί Danaoi used 138 times in the Iliad) and Argives (/ˈɑrɡaɪvz/; Ἀργεῖοι Argeioi used 182 times in the Iliad) while Panhellenes (Πανέλληνες Panhellenes) and Hellenes (/hɛˈliːnz/; Ἕλληνες Hellenes) both appear only once;との部がそちら該当部となる)。 
 手前自身が直に数えて確認したわけではないために表記の部の正確さについては保証しかねるが、そういう数的按配でホメロスの叙事詩『イリアス』ではトロイアに対する攻め手側のギリシャ勢がアルゴス勢との言葉 ―アルジャイブスことArgives(あるいはAregeioi)、すなわち、 inhabitant of the city of Argos[アルゴスの住人との語句]― と頻繁に結びつけられていると指摘されている、とにかくも、指摘されているわけである。
 またもってして、ホメロス叙事詩『イリアス』にあってギリシャ勢を[アルゴス勢]と表記する箇所が頻出を見ていることについては国内で幅広くも流通を見ている『イリアス』の訳本でも容易に確認できるところである。一例とし、岩波文庫版の上下巻に分かたれての故・松平千秋京大教授の手になる訳本『イリアス(上)』より原文引用なせば、およそ次のような格好となっている。

(以下、岩波文庫版『イリアス(上)』(松平千秋京大教授訳の版)にてのIliad第二歌を収めたp.58よりの原文引用をなすとして)

アイギス持つゼウスのなされた約束が偽りかどうかを確かめる前に、アルゴスへ引き上げようなどと、アカイア軍の方針に背いて企む奴らは――その数はたかだか一人か二人、またそのような目論見が実現するはずもないが――そういう奴ばらは勝手にあの世へ行かせるがよい。ここではっきりいっておくが、アルゴス勢がトロイエ人に死と殺戮を運びつつ、海渡る快速の軍船に乗り込んだかの日、権勢類いなきクロノスの御子は、右手の方に稲妻を走らせて幸先(さいさき)よき前兆を指し示し給い、われらの企ての成就を確かに約束して下さったのだ(以下略)

(引用部はここまでとする ―非本質的なことであるが、引用部はギリシャ勢を激励鼓舞すべくもギリシャ方の老将ネストルが「我らにはクロノスの御子(ゼウスのこと)の加護が及んでいる」と一席ぶっている場の描写である― )

 次いで、トロイアを滅ぼした木製の馬の計略を考案したオデュッセウスの犬が[アルゴス]と呼ばれていることについての出典紹介をなす。

(直下、それで十分かと判断の下、英文Wikipedia[Argos (dog)]項目にての現行記載内容よりの引用をなすとして)

In Homer's Odyssey, Argos (/ˈɑrɡɒs, -ɡəs/; Greek: Ἄργος) is Odysseus' faithful dog. After twenty years struggling to get home to Ithaca, Odysseus finally arrives at his homeland. In his absence, reckless suitors have taken over his house in hopes of marrying his wife Penelope. In order to secretly re-enter his house to ultimately spring a surprise attack on the suitors, Odysseus disguises himself as a beggar, and only his son Telemachus is told of his true identity. As Odysseus approaches his home, he finds Argos lying neglected on a pile of cow manure, infested with lice, old and very tired. This is a sharp contrast to the dog Odysseus left behind; Argos used to be known for his speed and strength and his superior tracking skills. Unlike everyone else, including Eumaeus, a lifelong friend, Argos recognizes Odysseus at once and he has just enough strength to drop his ears and wag his tail but cannot get up to greet his master. Unable to greet his beloved dog, as this would betray who he really was, Odysseus passes by (but not without shedding a tear) and enters his hall, and Argos dies.

(拙訳として)
ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』(トロイア攻めを扱っているホメロス叙事詩『イリアス』の後日譚を扱っているとの叙事詩)にあってアルゴスとはオデュッセウスの忠実なる犬のことを指す。イサカに帰郷するための20年の労苦の後、オデュッセウスは遂に彼の故地に辿り着いた。彼の不在の間、向こう見ず・無遠慮な求婚者らが彼オデュッセウスの妻ペネロペと結婚しようとの望みを抱いて彼の屋敷を占有していた。最終目的としてそれら求婚者に奇襲を浴びせるために秘密裡に自身の屋敷に入り込もうとするなかでオデュッセウスは物乞いの扮装をなすこととし、彼の息子であるテレマコスのみが彼の正体を知らされることになった。オデュッセウスが彼の家に接近を試みているとき、彼オデュッセウスは無視されきっているとの格好で家畜飼料の山にあって寝そべっており、シラミにたかられ、年老い、とても疲れきっているとの按配の自身の犬アルゴスを見出した。といったさまはトロイア出陣の前にオデュッセウスが残していったありし日のアルゴスと明瞭なるコントラストを呈していた。アルゴスはその俊敏さ・頑強さ・卓抜した追跡能力にて良く知られていたのである。長年の友人であったとのエウマエウスも含めて他の誰もがオデュッセウス正体に気づけなかったのに対して、老犬アルゴスは即座にオデュッセウスのことを認知し、耳を下に曲げ、その尾を振りだしたが、主人に対して挨拶をしに行くだけの余力は最早無かった。自身が誰であるかを偽っているなかで自身の愛する犬に挨拶もしに行けずにオデュッセウスは通り過ぎ(しかし涙を禁じ得なかった)、自身の屋敷の広間へと入り込んだ。そして、その時、アルゴスは衰弱死した」

(訳を付しての引用部はここまでとする)

 以上、ここまで指し示し事項呈示のための引用をなしたところで書いておくが、百眼巨人アルゴス(アーガス)]のギリシャ語表記、トロイア攻めの折のギリシャ勢の総称となっている[アルゴス勢]の由来とも通ずるギリシャ都市国家アルゴスのギリシャ語表記、そして、トロイア攻めにあってギリシャ勢の要として木製の馬の計略を考案した将軍オデュッセウスの犬たるアルゴスのギリシャ語表記がそれぞれ全て同じくもの[Ἄργος]となっているとのことについては英文Wikipedia[ Argus Panoptes ][ Argos ][ Argos (dog) ]の各項目にあっての冒頭部、ギリシャ語表記紹介部程度のものからも確認なせるようになっている

 これにて

[1]小説『コンタクト』(1985)にあっては
[ブラックホール・ゲートないしワームホール・ゲートを開くものであると(使用によってはじめて)判明したマシーン]
の建設挙動が作中、
トロイアを滅ぼした木製の馬
に何度も仮託されている先だっての段にて原文引用にて示したように『コンタクト』では正十二面体構造をとるマシーンが10回以上、[トロイアを滅した木製の馬]に仮託されている)。 
 そうした小説にあっての[マシーン]の建設につながったアーガス計画の名がそちらに由来する百眼巨人の名アルガス(アルゴス)だが、同じくもの名(アルガス・アルゴス)は
百眼巨人を指すとの名詞
以外のものとして古典に「まったく同じくものギリシャ語の綴りで」よくも登場を見ており、それは
トロイアを滅ぼしたギリシャ勢の総称にして別称(アルゴス勢)
トロイアに引導を渡した木製の馬の計略を考案した男オデュッセウスの忠犬の名前

であったりする。
[トロイア]と[アルゴス](アーガス)との名称は古典で「極めて」親和性強くも結びつくようになっているのである。
 そして、(繰り返すが)小説『コンタクト』ではトロイアを滅した木製の馬に何度も仮託されているとの
向こう側よりの指示でこちらより構築せねば、ゲート構築ができないとの時空の歪みを発生させる装置]
が登場を見ているとのことがある。

とのことの典拠を必要な分だけ挙げた(と述べても差し障りなかろうと判じている)。

 次いで、

[2](上の[1]にて言及のように)トロイア崩壊力学とトロイア攻囲サイドのギリシャ勢総称(アルゴス勢)を通じても結びつく百眼巨人 Argus Panoptesアルガス(アルゴス)の名を冠してのゲート設計図受信につながった計画が描かれての小説『コンタクト』をものしたカール・セーガンという男、そのセーガン本人がトロイアを木製の馬で滅ぼしたオデュッセウスと結びつく(結びつけられている)人間となっている。カール・セーガンについてはオデュッセウスUlyssesの故郷たるイサカ(Ithaca) ――オデュッセウスがそこに帰り着くまで苦難の旅をなしていたとの故郷―― に依拠してその地名が付されたニューヨークの一地域[イサカ]と非常に深くも縁があるとの人物となっている。より具体的にはカール・セーガンはニューヨークのイサカ(オデュッセウスがそこを目指して旅したとされるその領地イタカ・イサカから命名されているとのことが地名由来としてあるとのニューヨーク一地域)に埋葬されることになっており、また、カール・セーガン事績を讃えるべくもの記念碑的一区画がニューヨークのそちらイサカに設けられているとのことがある

とのことの典拠を挙げる。

 まずもってトロイアを木製の馬で滅ぼしたとのオデュッセウスの故郷は[イサカ](イタカないしイタケーとも発音)という地であるとのことだが、よく知られた基本的なることであるとのことで、同点については、次の記述を引くだけで十分か、と思う。

(直下、英文Wikipedia[Odysseus]項目にての現行記載内容よりの抜粋として)

Odysseus (/oʊˈdɪsiəs/ or /oʊˈdɪsjuːs/; Greek: Ὀδυσσεύς [odysˈsews]), also known by the Roman name Ulysses (/juːˈlɪsiːz/; Latin: Ulyssēs, Ulixēs), was a legendary Greek king of Ithaca and a hero of Homer's epic poem the Odyssey.

オデュッセウス、ローマ名でのユリシーズでも知られている同人物は伝説上のイサカ(Ithaca)の王であり、ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』の主役である」

(引用部はここまでとする)

 続けて、ニューヨークにイサカという町が存在しており、いわゆる大学街( College town )であるとのそのイサカの命名由来がオデュッセウス故地のイサカであるとされることを紹介しておく。

(直下、英文Wikipedia[ Ithaca, New York ]項目にての現行記載内容よりワンセンテンス抽出をなすとして)

The city of Ithaca sits on the southern shore of Cayuga Lake, in Central New York. It is named for the Greek island of Ithaca.

「ニューヨーク州中部、カユガ湖南端の沖合にイサカ市は存する。同市はギリシャの島イサカから命名されたとのものである

(引用部はここまでとする ―※― )

(※尚、和文Wikipedia[イサカ(ニューヨーク)]項目にあっては同じくもの点について
(直下、引用なすとして)
翌1790年には、中部ニューヨーク・ミリタリー・トラクト( Central New York Military Tract )という入植計画の下、独立戦争に参加した兵士への褒美として土地が与えられていった。その後1年以内にほとんどの土地はこうした形で与えられ、非公式ではあったがこの地への入植が始まった。こうした入植の過程において、この地はサイモン・デウィット( Simeon DeWitt )による調査が進められていた。デウィットの秘書を務めていたロバート・ハーパー( Robert Harpur )が古代ギリシア・ローマの歴史やイギリスの小説家・哲学者に強い関心を寄せていたため、この計画の下でつくられたタウンシップには古代ギリシア・ローマの名前や、イギリスの文学者にちなんだ名前が多くつけられたのちにイサカとなるこの地のタウンシップは、オデュッセウスのラテン名ウリュッセウス(Ulysseus)にちなんでユリシーズ(Ulysses)と名付けられた。その数年後にデウィットがイサカに移住すると、町そのものにもユリシーズという名をつけた。なお、このユリシーズという名はイサカが属しているトンプキンス郡の町の名として現在も残っている
(引用部はここまでとする)
と表記されている)

 表記のようにニューヨークのイサカ市はオデュッセウス故地(およびオデュッセウスそのものたるユリシーズとの地名)と結びつくわけであるが、同市はカール・セーガンが拠点に定めた場所、カール・セーガンが埋葬された場所、カール・セーガンの記念碑が存在している場「とも」なる。については下を参照されたい。

(直下、英文Wikipedia[ Carl Sagan ]項目にての[death](死没)の部にての記述よりの引用をなすとして)

After suffering from myelodysplasia, and receiving three bone marrow transplants, Sagan died of pneumonia at the age of 62 at the Fred Hutchinson Cancer Research Center in Seattle, Washington, on December 20, 1996. He was buried at Lakeview Cemetery in Ithaca, New York. [ . . . ] In 1997 the Sagan Planet Walk was opened in Ithaca, New York. It is a walking-scale model of the Solar System, extending 1.2 km from the center of The Commons in downtown Ithaca to the Sciencenter, a hands-on museum. The exhibition was created in memory of Carl Sagan, who was an Ithaca resident and Cornell Professor. Professor Sagan had been a founding member of the museum's advisory board.

(訳として)
「骨髄異形成症候群に苦しみ、三回の骨髄移植を受けた後、セーガンは(直接的死因の)肺炎にて1996年12月20日、ワシントンはシアトルのフレッド・ハッチンソン癌研究センターにて62年の生涯を終えた。彼はニューヨークの[イサカ](Ithaca)にあってのレイクビュー霊園に埋葬されることになった。・・・(中略)・・・1997年、[セーガン・プラネット・ウォーク]がニューヨークの[イサカ](Ithaca)にてオープンを見た。同モニュメントは太陽系スケールの世界を歩くことで実感できるとのものとなっており、イサカ下町の公衆広場中心からサイエンス・センター、実際は博物館であるとのそこに向けて1.2キロの広がりを持っているとのものとなる。同展示作はイサカ市民であり、また、イサカにあるコーネル大学の教授であったとのカール・セーガンを記念して造られたとのものとなっている。セーガン教授は同博物館(セーガン・プラネット・ウォークの終着点の科学博物館)運営顧問委員会の創設メンバーの一人であった

(訳を付しての引用部はここまでとする)

 以上もってして

[2](上の[1]にて言及のように)トロイア崩壊力学とトロイア攻囲サイドのギリシャ勢総称(アルゴス勢)を通じても結びつく百眼巨人 Argus Panoptesアルガス(アルゴス)の名を冠してのゲート設計図受信につながった計画が描かれての小説『コンタクト』をものしたカール・セーガンという男、そのセーガン本人がトロイアを木製の馬で滅ぼしたオデュッセウスと結びつく(結びつけられている)人間となっている。カール・セーガンについてはオデュッセウスUlyssesの故郷たるイサカ(Ithaca) ――オデュッセウスがそこに帰り着くまで苦難の旅をなしていたとの故郷―― に依拠してその地名が付されたニューヨークの一地域[イサカ]と非常に深くも縁があるとの人物となっている。より具体的にはカール・セーガンはニューヨークのイサカ(オデュッセウスがそこを目指して旅したとされるその領地イタカ・イサカから命名されているとのことが地名由来としてあるとのニューヨーク一地域)に埋葬されることになっており、また、カール・セーガン事績を讃えるべくもの記念碑的一区画がニューヨークのそちらイサカに設けられているとのことがある

とのことの出典紹介を終える。

 さらに続けもして、

[3]カール・セーガンが生前、関わったところの電波受信活動とワンセットになった外宇宙知性生命体探査計画たるSETIプロジェクト、その一貫としてサイクロプス計画というものが(フィクションならぬ)現実世界で計画されていたとのことがある。 同計画は結局は頓挫したとの70年代計画だが、そのサイクロプス(キュクロプス)計画、後続する小説『コンタクト』(1985)に見る架空のアーガス計画が[百目巨人の目による探査計画]となろうものであるのに対して[一つ目巨人の目による探査計画]と言い換えられるようなものである。 さて、アルゴスがあまねくも百の目でものを見る巨人であるのに対して、一点集中、一つ目でものを見るというサイクロプスという巨人(フィクションに見るアーガス計画に影響を与えたようであるサイクロプス計画名称由来となっている巨人)がどういった存在かと述べれば、[トロイアを木製の馬で滅ぼした男、オデュッセウスの冒険譚たる『オデュッセイア』に登場の[オデュッセウスに一つ目を潰された一つ目巨人]となっている。 他面、アーガスとは(ここに至るまでの出典紹介部にて示したように)[ヘルメスに目潰しされて殺された百目巨人]となっているとのことがある。 (一つ目であれ百眼であれ)自慢の目を台無しにされた巨人関連の外宇宙電波探査計画][トロイア関連サイクロプスとトロイアの破壊者オデュッセウスの接合/[1]で触れたところのアルゴスとの名称とトロイア破壊者アルゴス勢の接合とのことで無論、話がつながる。 のみならず、(余程の神話通でなければ考えも及ばないことかとは思うが)、オデュッセウス(サイクロプスの目を潰した木製の馬の計略の考案者)に関しては ――カール・セーガン『コンタクト』のマシーン到達地点[グランド・セントラル・ステーション](の現実世界での比定地)と結びついているとのことにつき先述の[マーキュリー]と同一存在であるとされる―― [ヘルメス](アーガスの目を瞑(つむ)らせた神)の血族であるとのことが語り継がれてきた男であるとのこともまたある。

とのことの出典を挙げることとする。

 最初に、そも、サイクロプス計画とは何かの出典を挙げる。

(直下、和文Wikipedia[地球外知的生命体探査計画]項目にあっての現行記載内容よりの抜粋をなすとして)

 地球外知的生命体探査( Search for Extra-Terrestrial Intelligence )とは、地球外知的生命体による宇宙文明を発見するプロジェクトの総称。頭文字を取って「SETI(セティ、セチ)」と称される。アクティブSETI(能動的SETI)に対して、パッシブ(受動的)SETIとも呼ばれる。現在世界では多くのSETIプロジェクトが進行している。
・・・(中略)・・・
歴史・主な計画
1959年、科学雑誌『Nature』上にジュゼッペ・コッコーニとフィリップ・モリソンが初めて地球外生命体に言及する論文を発表。その論文で「地球外に文明社会が存在すれば、我々は既にその文明と通信するだけの技術的能力を持っている」と指摘した。またその通信は電波を通して行われるだろうと推論し、当時の学界に衝撃を与え、これを契機として地球外文明の探査が始まった。
・・・(中略)・・・
1960年、世界初の電波による地球外知的生命体探査であるオズマ計画が行われた。この計画はアメリカの天文学者フランク・ドレイクによって提案されたもので、ウェストバージニア州グリーンバンクにあるアメリカ国立電波天文台の18フィート望遠鏡にて実施された。オズマ計画では生命を宿すような惑星を持つのに相応しい大きさの恒星のうち、地球から近いものとして2つの恒星を選びこれを対象とした。選ばれたのはくじら座タウ星(12光年)およびエリダヌス座イプシロン星(11光年)である。ドレイクらはこれらの星に電波望遠鏡を向け、1,420MHzの電波(宇宙でもっとも多く存在する水素の出す電波)で地球に向けて呼びかけの信号が送られていないかどうかを調べた。電波は30日間(実際に受信を試みたのは150時間)にわたり観測されたが、文明の痕跡とみなされる信号は得られなかった。
・・・(中略)・・・
1971年には1,000基の電波望遠鏡を連携させることで、地球外からの電波信号探査を行うという「サイクロプス計画」(サイクロプスとはギリシャ神話に登場する一つ目の巨人である)がNASAによって計画されたが、資金の目処が立たず頓挫した

(引用部はここまでとする)

 上に見るように現実世界で頓挫を見たサイクロプス計画とは
[1000基の電波望遠鏡を連携させることで地球外からの電波信号を探る]
との試みを指すわけだが、それはカール・セーガン小説『コンタクト』に登場してきた Project Argusも多数の望遠鏡 ――こちらは100基の電波望遠鏡―― を並べて電波探査をなすとのものであったことと好対照をなす。その点、プロジェクト・アーガスがいかようなものと描写されているのかの抜粋も原著CONTACTからなしておくこととする。

(直下、訳書、新潮社より出されている文庫版『コンタクト(上)』にあってのそのp.75より引用をなすとして)

[<アーガス計画>の百三十一の望遠鏡は、すべてコンピューターで制御されている。システムは自発的にゆっくりと大空を探査し、機械や電子関係の故障の有無をチェックしたり、配列された各望遠鏡から送られてくる種々のデータを比較したりする]

(訳書よりの引用部はここまでとする ―※― )

(※尚、原著Contactにあっての同じくもの箇所の表記(グーグル検索エンジンに引用英文テキストを入力・検索することで[文献事実]であることをオンライン上より特定できるようになっているとの同じくもの箇所の原著表記)は Chapter3 White Noiseの章にての All 131 telescopes of Project Argus were controlled by computers. The system slowly scanned the sky on its own, checking that there were no mechanical or electronic breakdowns, comparing the data from different elements of the array oftelescopes.との部が該当するところとなる)

 次いで、頓挫したサイクロプス計画を包摂するSETIプロジェクトにセーガンが率先して関わっていたとの出典を挙げる。

(直下、和文Wikipedia[カール・セーガン]項目にあっての現行記載内容 ―日本にても刊行されているセーガン関連の諸種文献にきちんと準拠していること、察せられるようになっているとの記載内容― の抜粋として)

カール・エドワード・セーガン( Carl Edward Sagan, 1934年11月9日 - 1996年12月20日 )は、アメリカの天文学者、作家、SF作家。元コーネル大学教授、同大学惑星研究所所長。NASAにおける惑星探査の指導者。惑星協会の設立に尽力。核戦争というものは地球規模の氷河期を引き起こすと指摘する「核の冬」や、遺伝子工学を用いて人間が居住可能になるよう他惑星の環境を変化させる「テラ・フォーミング」、ビッグバンから始まった宇宙の歴史を”1年という尺度”に置き換えた「宇宙カレンダー」などの持論で知られる
・・・(中略)・・・
1960年から1962年まではカリフォルニア大学バークレー校でミラー研究員となった。1962年から1968年までスミソニアン天体物理観測所で研究員を務め、ハーバード大学で教鞭をとった。それからコーネル大学へと移り、1971年には正教授になり、以降惑星科学の研究室を率いた。
圏外生物学(宇宙生物学、天体生物学)の開拓者で、一般に地球外知的生命体探索計画のSETIと科学を押し進めたとされる。このように彼の業績には生命科学とのつながりが深いものが多く、惑星探査機、マリナー、バイキング、ボイジャー、ガリレオの実験計画の企画などに携わる。最初の妻は細胞内共生説を提唱した生物学者、リン・マーギュリスであった。
・・・(中略)・・・
科学啓蒙書やSF小説の執筆でも知られる。代表作にはテレビシリーズにもなった『コスモス』、その続編『惑星へ』、映画化されたハードSF小説『コンタクト』や、ピューリッツァー賞を受賞した『エデンの恐竜 - 知能の源流をたずねて』などがある。3人目の妻アン・ドルーヤンとの共著も多い。
・・・(中略)・・・
闘病中にはセント・ジョン大聖堂、ガンジス川の川辺にてヒンドゥー教徒が、北アメリカのイスラム指導者が回復祈願の祈りを願った。病人である当人は懐疑主義者で宗教にも輪廻転生にも懐疑的であったが、このような多くの善意ある振る舞いに勇気づけられたと感謝の言葉を贈っている。

(引用部はここまでとする)

(さらに直下、英文Wikipedia[SETI]項目の現行にての記載内容よりのワンセンテンス抜粋として)

The first SETI conference took place at Green Bank, West Virginia in November 1961. The ten attendees were conference organiser Peter Pearman, Frank Drake, Philip Morrison, businessman and radio amateur Dana Atchley, chemist Melvin Calvin, astronomer Su-Shu Huang, neuroscientist John C. Lilly, inventor Barney Oliver, astronomer Carl Sagan and radio astronomer Otto Struve.

(訳として)
「最初のSETI会議はウェストバージニアのグリーンバンクにて1961年11月に開催された。十名の出席者はカンファレンス主催者の Peter Pearman、続いて、 Frank DrakePhilip Morrison、ビジネス関係者にしてアマチュア無線家の Dana Atchley、化学者の Melvin Calvin、天文学者の Su-Shu Huang、 神経科学者の John C. Lilly、発明家の Barney Oliver天文学者の Carl Sagan、そして、電波天文学者の Otto Struveである」

(引用部訳はここまでとしておく。NASAによる Project Cyclopsが頓挫を見たのは1971年であると先のWikipedia[地球外知的生命体探査計画]項目には記載されているわけだが、サイクロプス計画を包摂するSETIの1961年の初の会合からしてカール・セーガンはそこにコミットしていたとのことが以上抜粋部には表記されている)

 ここまでにてカール・セーガンがサイクロプス計画を包摂する[地球外知的生命体探査計画](SETI)の主たる推進者であったとのことの典拠を挙げたとして、続いて、サイクロプス計画にその名称が使用されているところのサイクロプス(キュクロプス)がオデュッセウスに独眼を潰された一つ目巨人であるとのよく知られたことにまつわっての説明のなされようを下に引いておく。

(直下、和文ウィキペディア[ポリュペーモス]項目にての現行記載内容よりの抜粋として)

ポセイドーンとネーレイデスのトオーサの息子。キュクロープスのひとりとされる。ホメーロス叙事詩『オデュッセイアー』第9書で、オデュッセウスが語る航海譚に登場する。ポリュペーモスはキュクロープスたちの中でも最も大きい体を持ち、キュクロープスたちの島の洞窟に住んでいた。オデュッセウスがトロイア戦争からの帰途、この島に立ち寄った際、12人の部下とともにポリュペーモスの洞窟に閉じ込められた。部下たちが2人ずつ食べられていくうち、オデュッセウスは持っていたワインをポリュペーモスに飲ませて機嫌を取った。これに気をよくしたポリュペーモスは、オデュッセウスの名前を尋ね、オデュッセウスが「ウーティス」(ギリシア語で「誰でもない」の意)と名乗ると、ポリュペーモスは「おまえを最後に食べてやろう」といった。ポリュペーモスが酔いつぶれて眠り込んだところ、オデュッセウスは部下たちと協力して巨人の眼を潰した。ポリュペーモスは大きな悲鳴を上げ、それを聞いた仲間のキュクロープスたちが集まってきたが、だれにやられたと聞かれてポリュペーモスが「ウーティス(誰でもない)」と答えるばかりであったため、キュクロープスたちはみな帰ってしまった

(引用部はここまでとする。尚、上は叙事詩『オデュッセウス』にあってオデュッセウスらがキルケという魔女の島に辿り着く前の話、さらに述べれば、キルケの島に到達した後、一悶着あったうえでサイレン・スキュラ・カリュブディスの怪物らが控える難所に挑む前のパートにあっての筋立てとなる)

 さらに続けて、

[奸知に長けた知将と称されるオデュッセウスサイクロプスに食い殺されそうになったところを策略で相手の目つぶしをなしつつも逃げおおせもしたとのオデュッセウス)が同様に奸知に長けたヘルメス最前、先述のように百眼巨人アルゴスを殺してアルゲイポントスの異称を冠することとなったギリシャ神話の神にしてローマの商業神マーキュリーと習合しているとの神)の血を受け継ぐ者である]

との伝承にまつわる申しようがなされていることを紹介しておく。

(直下、英文Wikipedia[Odysseus]項目の[Genealogy]の現行にあっての節の記載内容よりの引用をなすとして)

Relatively little is known of Odysseus's background other than that his paternal grandfather (or step-grandfather) is Arcesius, son of Cephalus and grandson of Aeolus, whilst his maternal grandfather is the thief Autolycus, son of Hermes and Chione. Hence, Odysseus was the great-grandson of the Olympian god Hermes. According to the Iliad and Odyssey, his father is Laertes and his mother Anticlea, although there was a non-Homeric tradition that Sisyphus was his true father.

(補ってもの訳として)「相対的に見て、オデュッセウスの血縁的バックグラウンドについては彼の父方の祖父(あるいは父方の義理の祖父)がアイオロスの孫でありケパロスの子であるとのアルケイシウスであり、他面、彼の母方の祖父が盗賊のアウトリュコス、ヘルメスとキオネーの間に出来たその男であること以上には知られていない。またもってしてオデュッセウスはオリンポスの神ヘルメスの曾孫であった。ホメロス由来ではないところの伝承としてシューシュポスが彼の本当の父となるとの申しようがなされているが、(ホメロスの手になる)『イリアス』と『オデュッセイア』によると、彼の父はラーエルテースとなり、そして、彼の母はアンティクレイアとなる」

(引用部はここまでとする)

 以上、区分けしながら指し示してきたことをもってして、

[3]カール・セーガンが生前、関わったところの電波受信活動とワンセットになった外宇宙知性生命体探査計画たるSETIプロジェクト、その一貫としてサイクロプス計画というものが(フィクションならぬ)現実世界で計画されていたとのことがある。 同計画は結局は頓挫したとの70年代計画だが、そのサイクロプス(キュクロプス)計画、後続する小説『コンタクト』(1985)に見る架空のアーガス計画が[百目巨人の目による探査計画]となろうものであるのに対して[一つ目巨人の目による探査計画]と言い換えられるようなものである。 さて、アルゴスがあまねくも百の目でものを見る巨人であるのに対して、一点集中、一つ目でものを見るというサイクロプスという巨人(フィクションに見るアーガス計画に影響を与えたようであるサイクロプス計画名称由来となっている巨人)がどういった存在かと述べれば、[トロイアを木製の馬で滅ぼした男、オデュッセウスの冒険譚たる『オデュッセイア』に登場の[オデュッセウスに一つ目を潰された一つ目巨人]となっている。 他面、アーガスとは(ここに至るまでの出典紹介部にて示したように)[ヘルメスに目潰しされて殺された百目巨人]となっているとのことがある。 (一つ目であれ百眼であれ)自慢の目を台無しにされた巨人関連の外宇宙電波探査計画][トロイア関連サイクロプスとトロイアの破壊者オデュッセウスの接合/[1]で触れたところのアルゴスとの名称とトロイア破壊者アルゴス勢の接合とのことで無論、話がつながる。 のみならず、(余程の神話通でなければ考えも及ばないことかとは思うが)、オデュッセウス(サイクロプスの目を潰した木製の馬の計略の考案者)に関しては ――カール・セーガン『コンタクト』のマシーン到達地点[グランド・セントラル・ステーション](の現実世界での比定地)と結びついているとのことにつき先述の[マーキュリー]と同一存在であるとされる―― [ヘルメス](アーガスの目を瞑(つむ)らせた神)の血族であるとのことが語り継がれてきた男であるとのこともまたある。

とのことが述べられるだけの典拠を呈示した。

 実にもって長くもなったものの、これにて、[1]から[3]と振ってのことら、繰り返せば、

[1]小説『コンタクト』(1985)にあっては
[ブラックホール・ゲートないしワームホール・ゲートを開くものであると(使用によってはじめて)判明したマシーン]
の建設挙動が作中、
トロイアを滅ぼした木製の馬
に何度も仮託されている
先だっての段にて原文引用にて示したように『コンタクト』では正十二面体構造をとるマシーンが10回以上、[トロイアを滅した木製の馬]に仮託されている)。 
 そうした小説にあっての[マシーン]の建設につながったアーガス計画の名がそちらに由来する百眼巨人の名アルガス(アルゴス)だが、同じくもの名(アルガス・アルゴス)は
百眼巨人を指すとの名詞
以外のものとして古典に「まったく同じくものギリシャ語の綴りで」よくも登場を見ており、それは
トロイアを滅ぼしたギリシャ勢の総称にして別称(アルゴス勢)
トロイアに引導を渡した木製の馬の計略を考案した男オデュッセウスの忠犬の名前

であったりする。
[トロイア]と[アルゴス](アーガス)との名称は古典で「極めて」親和性強くも結びつくようになっているのである。
 そして、(繰り返すが)小説『コンタクト』ではトロイアを滅した木製の馬に何度も仮託されているとの
向こう側よりの指示でこちらより構築せねば、ゲート構築ができないとの時空の歪みを発生させる装置]
が登場を見ているとのことがある ――直近の出典(Source)紹介の部82(2)にて引用のようにうん。つまりね。空間は位相幾何学的に複雑な形で連続しているわけなんだ。アボネバに言わせれば、これはあまり上手い譬(たと)えではないかもしれないけれども、片方に二次元の平面があると仮定しようか。これが先進文明の世界だよ。で、もう一つ、こっちに別の二次元平面がある。これは後進世界でね、二つの平面は迷路のような管で結ばれている。先進世界から限られた時間で後進世界へ行くには、その迷路を抜けるしかないんだ。ところで、先進世界の住人が先端に穴の開いた管を伸ばすとするね。その時、後進世界の方でそれに合わせて自分たちの平面にちょっと皺を寄せてやれば、そこへ管の先が届くであろう。これでトンネルが通じる」「つまり、先進世界はどうやって平面に皺を寄せるか、電波で情報を送って後進世界に指示を与えるわけね。でも、両方とも厳密に二次平面の世界だとしたら、皺を寄せるなんていうことができるかしら?[ "Yes. We're saying that space is topologically non-sim-ply connected. It's like ―know Abonnema doesn't like this analogy― it's like a flat two-dimensional surface, thesmart surface, connected by some maze of tubing with some other flat two-dimensional surface, the dumb surface. The only way you can get from the smart surface to the dumb surface in a reasonable time is through the tubes. Now imagine that the people on the smart surface lower a tube with a nozzle on it. They will make a tunnel between the two surfaces,provided the dumb ones cooperate by making a little pucker on their surface, so the nozzle can attach itself." "So the smart guys send a radio message and tell the dumb ones how to make a pucker. But if they're truly two-dimensional beings, how could they make a pucker on their surface?"(邦訳書および原著よりの引用部はここまでとする)との表記がなされている― )。

[2](上の[1]にて言及のように)トロイア崩壊力学とトロイア攻囲サイドのギリシャ勢総称(アルゴス勢)を通じても結びつく百眼巨人 Argus Panoptesアルガス(アルゴス)の名を冠してのゲート設計図受信につながった計画が描かれての小説『コンタクト』をものしたカール・セーガンという男、そのセーガン本人がトロイアを木製の馬で滅ぼしたオデュッセウスと結びつく(結びつけられている)人間となっている。カール・セーガンについてはオデュッセウスUlyssesの故郷たるイサカ(Ithaca) ――オデュッセウスがそこに帰り着くまで苦難の旅をなしていたとの故郷―― に依拠してその地名が付されたニューヨークの一地域[イサカ]と非常に深くも縁があるとの人となっている。より具体的にはカール・セーガンはニューヨークのイサカ(オデュッセウスがそこを目指して旅したとされるその領地イタカ・イサカから命名されているとのことが地名由来としてあるとのニューヨーク一地域)に埋葬されることになっており、また、カール・セーガン事績を讃えるべくもの記念碑的一区画がニューヨークのそちらイサカに設けられているとのことがある

[3]カール・セーガンが生前、関わったところの電波受信活動とワンセットになった外宇宙知性生命体探査計画たるSETIプロジェクト、その一貫としてサイクロプス計画というものが(フィクションならぬ)現実世界で計画されていたとのことがある。 同計画は結局は頓挫したとの70年代計画だが、そのサイクロプス(キュクロプス)計画、後続する小説『コンタクト』(1985)に見る架空のアーガス計画が[百目巨人の目による探査計画]となろうものであるのに対して[一つ目巨人の目による探査計画]と言い換えられるようなものである。 さて、アルゴスがあまねくも百の目でものを見る巨人であるのに対して、一点集中、一つ目でものを見るというサイクロプスという巨人(フィクションに見るアーガス計画に影響を与えたようであるサイクロプス計画名称由来となっている巨人)がどういった存在かと述べれば、[トロイアを木製の馬で滅ぼした男、オデュッセウスの冒険譚たる『オデュッセイア』に登場の[オデュッセウスに一つ目を潰された一つ目巨人]となっている。 他面、アーガスとは(ここに至るまでの出典紹介部にて示したように)[ヘルメスに目潰しされて殺された百目巨人]となっているとのことがある。 (一つ目であれ百眼であれ)自慢の目を台無しにされた巨人関連の外宇宙電波探査計画][トロイア関連サイクロプスとトロイアの破壊者オデュッセウスの接合/[1]で触れたところのアルゴスとの名称とトロイア破壊者アルゴス勢の接合とのことで無論、話がつながる。 のみならず、(余程の神話通でなければ考えも及ばないことかとは思うが)、オデュッセウス(サイクロプスの目を潰した木製の馬の計略の考案者)に関しては ――カール・セーガン『コンタクト』のマシーン到達地点[グランド・セントラル・ステーション](の現実世界での比定地)と結びついているとのことにつき先述の[マーキュリー]と同一存在であるとされる―― [ヘルメス](アーガスの目を瞑(つむ)らせた神)の血族であるとのことが語り継がれてきた男であるとのこともまたある。

の各点についての出典紹介を終えることとする。

出典(Source)紹介の部82(6)はここまでとする)


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直下、本稿冒頭部へのリンクを設けておく

(⇒冒頭頁へは下の部より)

[典拠紹介部第1頁 加速器実験に伴う欺瞞性から証示なせることについて]

 上にて挙げているのはドイツ浪漫主義芸術の巨匠たる18世紀画家、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ(Freemasonでもあったとの画家 Caspar David Friedrich)の手になる一品、

Der Wanderer uber dem Nebelmeer雲海の上の旅人』(に多少の[動き]をアレンジとして加えたもの)

となる。

 言われようの問題として一般に、

[人間の崇高なる精神が高みを目指し、ついぞ多くの物事を達観するに至った時、その折の孤独と感慨を描いた画]

などと形容される上掲の『雲海の上の旅人』に関して(本稿でもその言行を順次・段階的に取り上げることになるとの)物理学者リサ・ランドールは[次のような申しよう]をなしている。


(直下、物理学者リサ・ランドールの手になる著作 Knocking on Heaven’s Door『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)にての CHAPTER THREE LIVING IN A MATERIAL WORLD[第三章 物質世界に生きる]の章の記述内容 ――オンライン上検索エンジンにあっての原文検索にて該当部特定できるところの記述内容―― よりの原文引用をなすとして)

Our universe is in many respects sublime. It prompts wonder but can be daunting ―even frightening― in its complexity.  Nonetheless, the components fit together in marvelous ways. Art,science, and religion all aim to channel people’s curiosity and enlighten us by pushing the frontiers of our understanding. They promise, in their different ways, to help transcend the narrow confines of individual experience and allow us to enter into―and comprehend―the realm of the sublime. (See Figure 11.)
          [ . . . ]
[ FIGURE 11 ] Caspar David Friedrich’s Wanderer Above the Sea of Fog (1818), an iconic painting of the sublime ― a recurring theme in art and music.

(上の原著引用部に対する[訳文]として国内流通訳書『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)ハードカヴァー版にあっての81ページに記載されているところを引くとして)

多くの点で、私たちの宇宙は崇高だ。その複雑さは好奇心を駆り立てはするが、無力感も抱かせるし、ことによっては恐怖さえも感じさせる。にもかかわらず、宇宙の構成要素は素晴らしくぴたりと絡みあっている。芸術、科学、宗教は、いずれも人々の好奇心を促して、理解の限界を広げさせ、それによって私たちを啓蒙することを目指している。いずれもそれぞれのやり方で、個人の経験の狭い領域を越えさせることを約束している。それがかなえられたとき、私たちは崇高なものの領域に踏み込む――そして理解する――ことができるのだ(図11を参照)。 …(中略)… [図11]ドイツの画家カスパー・ダーヴィド・フリードリヒの「雲海の上の旅人」は、崇高なものを象徴的に描いた作品だ。崇高さは、美術と音楽に繰り返し登場するテーマである

(以上をもって Knocking on Heaven’s Doorにての原著表記および訳書よりの引用とした)


 さて、何故、ここ脇に逸れての部にあって「目立つように」特定絵画 ― 『雲海の上の旅人』― を挙げ、その絵画に対する物理学者の評しよう ―「雲海の上の旅人」は、崇高なものを象徴的に描いた作品だ....― などを引いたりもしたのか

「それは、」
絵画『雲海の上の旅人』に対して直上引用なしたような評しようをなしているとの物理学者リサ・ランドールが

加速器によるブラックホール生成可能性にまつわるトピックの理論深化に一廉ならぬ貢献をなしているとの著名物理学者

[[崇高なるもの]を目指しての宇宙の探求(およびそのための装置と銘打たれている巨大加速器LHC)の称揚・礼讃をなしているとの向き

であるとのことがあり、また、なおかつ、彼女リサ・ランドールの手による、(絵画『雲海の上の旅人』を科学者が目指しての[崇高さ]とを結びつけている)引用元著作 Knocking on Heaven’s Door『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)が

人間のありよう(崇高さとはおよそ程遠いところにあるありよう)]
人間の辿る運命

を嘲笑うような[嗜虐的寓意]で満ち満ちていると申し述べられるようになっている著作であるとのことがある、遺憾ながら
[理の当然]
として申し述べられるところとしてある ――個人のせせこましい偏頗(へんぱ)な主観などとは一線を画したところで客観的かつ具体的にこれはこうでこうだと申し述べられるようになっている(出典呈示を第一義にしての本稿では無論、その論拠を事細かに挙げる)とのところとしてある―― からであり、そのことに注意を向けたかったからである(※)。

(※上にて引用元とした著作、 Knocking on Heaven’s Door『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)、同著にあってはその冒頭部より
September 10, 2008, marked the historic first trial run of the Large Hadron Collider (LHC). Although the name―Large Hadron Collider― is literal but uninspired, the same is not true for the science we expect it to achieve, which should prove spectacular. (表記英文引用部に対する訳として)「2008年9月10日、ラージ・ハドロン・コライダー(LHC)が歴史的始動を見た.[ラージ・ハドロン・コライダー]との名称は有り体に言ってインスピレーションを何ら与えぬとの平凡なものだが、私たちがそれ(LHC)に[証明すべきととらえている壮大なる挙]を託しているとの意では[科学(の進歩)]にとり同じくものことは真実とはならない(LHCは際立ってのインスピレーションを与えるものである)」
などとのことが書き記されている。
 そうもした書きようが目立ってもの冒頭部にてみとめられる著作ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアにおける表題、 [天国のドアをノックする]の由来についてリサ・ランドール女史は同じくもの著作の中で次のようなことを述べてもしている。
(以下、 Knocking on Heaven’s Doorにての CHAPTER FOUR LOOKING FOR ANSWERSより引用なすところとして)
I first heard the phrase “knockin”on heaven’s door”when listening to the Bob Dylan song at his 1987 concert with the Grateful Dead in Oakland, California. Needless to say, the title of my book is intended differently than the song’s lyrics, which I still hear Dylan and Jerry Garcia singing in my head. The phrase differs from its biblical origin as well, though my title does toy with this interpretation. In Matthew, the Bible says, “Ask, and it shall be given you; seek, and ye shall find; knock, and it shall be opened unto you: For every one that asketh receiveth; and he that seeketh findeth; and to him that knocketh it shall be opened. (以上原著表記に対して訳書『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)ハードカヴァー版[第四章]103ページにての表記を引くとして) Knocking on Heaven’s Door(天の扉を叩く)]――これが本書の原題だが、私が最初にこのフレーズを聞いたのは、一九八七年、カリフォルニア州オークランドでのグレイトフル・デッドとのコンサートで、ボブ・ディランが『天国への扉』を歌うのを聞いたときだった。いまでも私の頭の中ではディランとジェリー・ガルシアがこれを歌っているのが聞こえてくるけれど、いうまでもなく、私の本のタイトルは、この曲の歌詞とは意味が違っている。このフレーズは出典である聖書の一節とも違っているが、私のタイトルはこちらの意図を拝借したものだ。聖書の「マタイ伝」には、このように書かれている。「求めよ。さらば与えられん。尋ねよ、さらば見いださん。門を叩け、さらば聞かれん。すべて求むる者は得、たづねる者は見いだし、門を叩く者には開かれるるなり
(以上、引用部とした)
 といったところ、新約聖書のマタイ伝にあっての
[求めよ。さらば与えられん。尋ねよ、さらば見いださん。門を叩け、さらば聞かれん。すべて求むる者は得、たづねる者は見いだし、門を叩く者には開かれるるなり]
とのフレーズ、それが
[天国の門]・[天国への扉]・[天国への階梯](ステアウェイ・トゥ・ヘブン)
との兼ね合いでいかように嗜虐的なる別側面での意味( Double Meaning )と共にあるのか、そのことからして具体的典拠を挙げ連ねるとの式で遺漏無くも事細かに示そうというのが本稿の本義であるとここ脇に逸れての部にあって訴求しておきたいとの意図が筆者にはある)

当サイト内にあっての【各頁および各典拠への一覧方式遷移部】、及び、【PDF形式文書配布ページ】へのリンクを直下、設けておく

各頁および各典拠への一覧方式遷移部へは以下より


問題となる[「予見的」言及→実現]の体系についての[典拠紹介部]一覧呈示頁

PDF形式文書配布ページへは以下より


典拠解説媒体としての[一括PDF文書]の公開頁

ここ本頁内にて問題視していることの前提になっているとのことら、その【「容易に後追い確認なる」「堅い」ソースを呈示しての出典紹介部ら】それぞれへの[遷移経路]を下に設けておく (:クリックすることでブラウザ ―インターネット閲覧ソフト― の[別タブ(別枠)]にて典拠紹介部を表示( open "additional" tabbed window(s) of web browsers

[出典(Source)紹介の部1](加速器のブラックホール生成リスク問題視の契機が1999年にあり(小説『コンタクト』刊行14年後にあり)、の折、実験機関はブラックホール生成可能性それ自体を[狂人の妄夢]であるが如く言い分であるように否定していたとのことにまつわっての典拠紹介部1)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第2頁 1999年における加速器を巡る議論動向

[出典(Source)紹介の部2](加速器によるブラックホール生成が[現実的にありうること]と当事者実験機関および科学界にて表立って論じられ出したのが2001年である(小説『コンタクト』刊行16年後である)と判じられるようになっていることにまつわっての出典紹介部2)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第3頁 ブラックホール生成可能性にまつわる研究機関の変節の経緯

[出典(Source)紹介の部31](小説『コンタクト』と物理学者キップ・ソーンの意見交換が科学考証の過程でなされたことがよく知られている[通過可能なワームホール]に関わるところでキップ・ソーン著作 BLACK HOLES & TIME WARP Einstein's Outrageous Legacy『ブラックホールと時空の歪み アインシュタインのとんでもない遺産』が[911の事件の先覚的言及文物]となっていることにまつわっての出典紹介部31(以降)の部)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第25頁 ソーン『ブラックホールと時空の歪み』のとんでもない特性

[出典(Source)紹介の部32](小説『コンタクト』と物理学者キップ・ソーンの意見交換が科学考証の過程でなされたことがよく知られている[通過可能なワームホール]に関わるところでキップ・ソーン著作 BLACK HOLES & TIME WARP Einstein's Outrageous Legacy『ブラックホールと時空の歪み アインシュタインのとんでもない遺産』が[911の事件の先覚的言及文物]となっていることにまつわっての出典紹介部32(以降)の部)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第26頁 書籍『ブラックホールと時空の歪み』の問題性(続き)

[出典(Source)紹介の部80(2)](小説作品『コンタクト』登場のゲート装置が「明示的には」加速器とは結びつけられて「いない」ことにまつわっての出典紹介の部80(2))
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第84頁 小説『コンタクト』に対するキップ・ソーン関与について

[出典(Source)紹介の部80(3)](小説作品『コンタクト』登場のゲート装置が隠喩的には加速器と結びつけられている風があることにまつわっての出典紹介の部80(3))
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第85頁 小説『コンタクト』のゲート装置とトロイア崩壊の寓意について

[出典(Source)紹介の部81](小説『コンタクト』作中にあって加速器実験の大義(そしてブラックホール人為生成可能性現実化の理論登場後はブラックホール生成それそのものの大義)となっているところの[超統一理論]に対する言及が不可解になされているといったことがある点についての出典紹介の部81)
の参照は直下より


典拠紹介部第86頁 小説『コンタクト』にあっての加速器実験と通ずる側面