典拠となるところの明示[9]――加速器実験に伴う欺瞞性、 そして、そこより証示
なせもすることについて

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1970年代前半に[CERN由来の兆単位の加速器(14兆テラエレクトロンボルト)を露骨に想起させるもの]を登場させているとの小説の先覚性が常識的観点で説明がなせるものなのかについて

 直前頁までにて、(既に典拠示してきた[事実A]から[事実E]に加えてのものとして)、

[[事実F]から[事実I]]

と振ってのことら、すなわち、以下のことらが文献的事実・記録的事実となっていることの典拠を仔細に挙げてきた。

 本段に至るまでにその典拠を挙げ連ねてきたところの[事実F]から[事実J]についての連続しての表記をなすこととする。


(本稿筆者が非常に問題視しているところとして次のような各事実がそこにある)

[事実F]

 1974年に初出を見た極めて長きタイトルのSF小説作品として、

Adrift Just off the Islets of Langerhans:Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W (邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』

という作品が存在している。

 同作、1975年、米国の権威あるサイエンス・フィクション分野の賞として認知されているヒューゴ賞 Hugo Awardを(同賞が長編・中長編(ノベラ)・中編(ノベレット)・短編と受賞分野が語数によって分たれている中で)[中編Novelette分野]にて受賞した作品となっている 。
 その小説『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』は作中、
15兆電子ボルトのCEERN(CERNならぬCEERN)の粒子加速器
なるものを登場させている、とのものである。

[事実G]

 上の[事実F]にて挙げた小説『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』は
SF小説大賞ヒューゴ賞を受賞した作品を収めた傑作撰集](英文Wikipediaにて The Hugo Winnersとのその傑作撰集のためだけの項目が設けられているその方面 ―サイエンス・フィクションの分野に志向性ある向き― では著名な傑作選
にて

The Hole Man『ホール・マン』(という1974年初出の作品)

という作品と(原著・和訳版版双方ともに)[連続掲載]されているとの作品となる(:中編分野のヒューゴ賞受賞作品と短編分野のヒューゴ賞受賞作品が連続掲載されるようになっているとの式で(定例化してのかたちで)当該傑作撰体裁が定められているために、である)。

 ここ([事実G]に対する言及部)にて挙げている The Hole Man『ホール・マン』という小説作品は ―同文に文献的事実の問題として―
極微ブラックホールのケージ(容器)より漏れ出しての暴発を描く小説
となっている。

[事実H]

 上の[事実F]と[事実G]の摘示(容易に後追いできるとの該当部引用による摘示)によって

15兆電子ボルトのCEERN(CERNならぬCEERN)の粒子加速器を登場させている小説]([事実F]の言及部にて挙げた小説)
極微ブラックホールの暴発を描く小説]([事実G]の言及部にて挙げた小説)

が著名な米国SF賞を受賞したSF傑作選の中で(そうなるべくも定例化しての当該傑作撰体裁が定められているため)連結させられていると摘示できるようになっているわけであるが、それら小説の間には
[「配置面」([連続掲載]との配置面)以外の連結関係]
が成立しもしている。
 その点、[事実F]に対する言及部に挙げた小説 ( 『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』 ) の主人公は作中、ラリィ「Larry」との愛称(通称)で頻繁に呼称され、その主人公の正式の姓はローレンス(Lawrence)であるとの設定が採用されている。
 他面、[事実G]の言及部にて問題視した小説( 『ホール・マン』 )の作者たるSF作家の愛称(通称)はラリィ「Larry」であり、その正式名称はローレンス(Laurence)であるとのことが存する。


※事実「関係」について

 ここにて上の[事実F]から[事実H]を通じて述べられることを表記する。

[15兆電子ボルトのCEERN(CERNならぬCEERN)の粒子加速器を登場させる小説]([事実F])
[極微ブラックホールの暴発を描く小説]([事実G])
が[三十三回目ヒューゴ賞中編分野受賞・短編分野受賞作品]としてSF傑作撰集の中で連続掲載されており(同[事実G])、それら連続掲載作品らには
「一方の主人公の姓およびその愛称が他方の作品の作者の姓およびその愛称と同一である」
との関係性が成立している([事実H])。
(上からして主観などを介在していないとの[事実]それ自体への言及にとどまる)
 
 以上の事実関係を踏まえてさらに指摘すれば、直下、呈示のようなこと([事実I])のようなこともまたある。


[事実I]

[事実F]の部にてその名を挙げた小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W(邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』は

[欧州の加速器運営機関(CERNならぬCEERNなどと呼称される15TeV加速器を運用する機関)のビーム照射装置でもって[自らを縮退させての極小の分身]をホログラム上に造り出した主人公がそちら分身を己の[「底無しの」「黒々とした」「渦を巻く」へそ]に落とし込み、もって、己の魂に引導を渡させるとの粗筋の作品]

「とも」なっている。

[事実J]

1974年に初出の小説の中に登場する架空のCEERNの15兆電子ボルト( fifteen trillion electron volts )加速器現実世界でCERNが当時(1974年)にあって運用していた加速器(ISRと呼ばれるハドロン加速器)]よりも200倍超の規模のエネルギーを実現するとの[設定]のものであった。

1974年初出小説に見る15兆電子ボルト加速器のような「兆」の単位に突入しての一兆電子ボルトを超える加速器の建設構想計画が[青写真]として実験機関関係者意中に持ち上がったのは小説刊行の1年後との)1975年以降である(との加速器実験機関由来の内部資料が存在している)

現在CERNが運用するLHCが実現しうる最大出力は[(重心衝突系エネルギー)14兆電子ボルトとなっており、それに比して、[1974年に初出の小説に登場する(架空の)CERNならぬCEERNの15兆電子ボルト加速器はたかだかもの1.07倍程度しか強力なものにすぎない(⇒ 15TeV:14TeV=1.07(...):1.00)。そうしたかたちで1974年初出の加速器は出力との性能で見てあまりにも今日のLHCに近似している(尚、兆単位の加速器の実現可能性さえ取り沙汰されなかった往時(74年)にはLHC計画は当然に策定さえされていなかった)。

 要するに、 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W(邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』という作品は

往時70年代のCERN運営加速器(ISR)に比して200倍超も強力なるCEERN加速器なるもの](それは小説刊行時、構想だにされていなかった規模の加速器であると研究機関文書にて記載されている兆単位電子ボルト加速器ともなる

を登場させており、かつもって、その架空のCEERN加速器なるものは

[(指数関数的に出力を増大させてきたとの加速器進化動向にあって)今日のLHCに比しては小数点2桁、数パーセントの誤差ぐらいしかないほどに出力が近似しているとのもの

ともなっているとのことがある。


 以上、振り返ってのことらは(くどくも申し述べるが)誰であろうと否定のしようがないとの、
[確定した「文献的」事実]
[記録的事実]
である(:そのことを遺漏無くも示すための典拠を本稿前段にてひたすらに挙げてきた者として申し述べるところとして、である)。

 それら[文献的事実(記録的事実)]についてまとめての話をなせば、次のことが示せるようになっているとのことでもある。

「1974年に出された小説らが「複合的なる」連結関係を呈している。
 その複合的連結関係は
[CEERNの15兆電子ボルト加速器が登場し、CEERNのビーム発射装置で[「底無しの」「黒々とした」「渦を巻く」穴](ブラックホールを想起させるような穴)に男の「ミクロ化された」分身が投入される(一般論としてブラックホールとは物質を粉々に分解して「圧縮」して質量無限大サイズ極小といった領域に周囲のものを吸い込むものである ――先にての[出典(Source)紹介の部7]で引用なした小説『ホール・マン』にて「地球ほどの質量をもったブラックホールは一センチかそこらだ」との記述がなされているようなところのものがブラックホールとなる―― )との筋立ての小説]

[極微ブラックホールがケージより漏れだし極微ブラックホールが暴走して惑星を飲み込まんとするさまが描かれる小説]
が複合的に連結しているのと同義のものである。
 うち、一方の
[CEERNの15兆電子ボルト加速器が登場し、CEERNのビーム発射装置で底無しの黒々とした渦を巻く穴に男のミクロ化された分身が投入されるとの小説]
に登場する、
[(現実のCERNの名を想起させられる架空の組織体たる)CEERNによって運用される15兆電子ボルト加速器]
とは小説刊行往時にてCERNが運用していた加速器より最大重心系衝突エネルギーにて240倍も強力なものであり、他面、今後アップロードされてLHCがそこに至るところの出力14兆電子ボルトに比しては僅か1.07倍程度のものにすぎぬとのLHCと圧倒的に近しいものである(そうもなるわけだが、先立っての出典(Source)紹介の部10にて明示のように粒子加速器実験機関関係者文書では(LHCがそうであるような)兆単位のエネルギー領域に入っての加速器のことが青写真として念頭に置かれ出したのは小説刊行の後、1975年―1976年と表記されている)」

(再三再四申し述べたいとのことだが、疑わしきにおかれては[事実F]から[事実J]より上の結論が導き出せるか、また、[事実F]から[事実J]の出典はいかなものなのか、出典(Source)紹介の部6から出典(Source)紹介の部10をご覧いただきながら、(それができるようにしているところとして、「オンライン上の文献的事実の紹介媒体、「本稿とは関係なき」一次ソース紹介の他媒体などより裏取りなしていただき」ながらでも)、きちんと確認いただきたい次第でもある)。

 以上のようなことらが存在している一方で、他面、次のようなことらが容赦なくも指し示される事実の問題として存在している。


(同文に「くどくも」の繰り返しの表記をなすとして)

[事実A]

 粒子加速器によってブラックホールが生成される可能性が取り沙汰されだしたのは
1999年
からである。
 その1999年との折柄にあっては
[厳密な意味では専門家ではない市井の個人] (ウォルター・ワグナー)
によってブラックホール生成可能性が[災害を引き起こす元凶たりうるもの]として問題視されだした権威あるとされる専門家らがブラックホール生成可能性を目立って問題視していたわけではない
 対して、そうした属人的疑念視がマス・メディア「にも」取り上げられることになったことを受け、専門家サイドからは
ブラックホール生成がなされることはそもそもないことである
との強調がなされ、ブラックホール生成の可能性それ自体を事実上完全否定する(狂人の妄夢の如きものであるとする)当事者研究機関の一群の報告書ら ―(後にノーベル賞受賞者となった科学者も関与しての報告書でもある)― が世に出されることとなった

[事実B]

 粒子加速器(の中にあってのLHC)による[ブラックホール生成]がなされうるとのことが ――([事実A]に見るように[1999年にあってそれが[ありうべきリスク]として専門領域「外」の人間に問題視されだした際には「そも、粒子加速器によるブラックホール生成はありうべきところではない」と当事者研究機関に否定されていた]とのところから一転して)――  [ありえることである]と「肯定的に」科学界主流筋および研究機関によって「公的に」認められるようになったのは
2001年
のことからである(:その2001年からの論調では「通年で1000万個単位の」「安全な」極微ブラックホールが生成されることになりうるともされるようになった)。
 すなわち、「1999年にあっては」ブラックホールが人為生成される可能性だに否定していた科学界・実験機関の論調が「2001年に」変容を見、一転、加速器によるブラックホール生成をしてありうると肯定するようになったとのことがある(それについては、―これまた当然に論拠を挙げるところとして― [1998年に水面下で提唱されていた余剰次元理論(というもの)から導き出された帰結]が2001年の[変節]の背景にあると一般には説明されている)。

[事実C]

 粒子加速器LHCによってブラックホール生成がなされうると加速器実験実施研究機関に認容されるに至った折、当然に学者らは
「ブラックホール生成がなされても[安全]である」
と強調していた。
 ブラックホール生成がありうることとされるに至っての後、その初期的段階(2001年から2003年)にあっては安全性にまつわる論拠として
[[ホーキング輻射(ふくしゃ)と呼称される(仮説上の)現象]の発現による生成ブラックホールの即時蒸発
のことが部外者・公衆向けの安全性報告文書で挙げられ、次いで、2008年以降よりは安全性論拠として
宇宙線(Cosmic-ray/宇宙を飛び交う高エネルギーの放射線)との比較による生成された「蒸発しない」可能性のあるブラックホールの無害性
のことが(更改を見ての)部外者・公衆向けの安全性報告文書にて強くも前面に押し出されるに至った、とのことがある。

 そのような安全性論拠の主張動態(重み付け)の変化の背景には ―それについても当然に典拠挙げるところとして― [ホーキング輻射](と呼ばれる仮説上の現象)の発現が確実視され「なくなった」とのことがあると「される」


 直上、振り返りもしてのことに依拠して申し述べるが、

「1999年になってよりブラックホール生成の可能性が実験批判家ウォルター・ワグナーに問題視されたものの、当時の実験機関および物理学界は一丸となって「そのようなものが生成される可能性は全くない」と強弁していた」

「上のような流れが(1998年から呈示されていた理論の発展動向を受けて)2001年よりどんでん返しを見、実験機関および主流の科学界関係者らが2001年より安全なブラックホールは大量生成される可能性が出てきたと([変節]の上)主張しだした」

との「事実」(研究機関および主流の科学者らの手になる最も確度高き文書にてそのような申しようがなされているとの「事実」)が一方で存在し、他面、

「1974年、往時CERN運用加速器よりも出力比で240倍も上を行く、その一方で、LHCの予定されている最大出力に比べては1.07倍しか強力ではないとの「CEERNの」加速器が登場させられている小説作品が世に出ており、その加速器登場小説のあらすじが ――小説内CEERNのビーム照射挙動との絡みも含め―― ブラックホールおよび極微ブラックホール暴走と複合的に結びついていると指摘できてしまうことがある。また、その小説作品が複合的に連結関係を呈するとの同年に刊行されている「他の」小説が[重力波通信機から漏れ出した極微ブラックホールが惑星を呑み込む]との粗筋を有しているとのことだに指摘できてしまうことがある」

との「事実」がもう一方で存在していることに
[[虚偽・欺瞞の問題]や[予言(と呼ばれるようなもの)をなさしめる力学の介在の問題]]
を観念せずに説明がつけられるのか、と当然に問われて然るべきところであるはずである(俎上にあがっているのが[人類の破滅に通ずる問題]であるからである)。

 これにて

「他にも(先行して問題視してきた Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』の他にも)ブラックホール生成問題にまつわる先覚的言及をなしている文物が存在しているのだが、それがその[先覚性][正確性][克明さ]のどの面でも群を抜いているとの異常無比なるもの、まさしくもの[[予言的作品]にして[告知文物]]といった形態のものとして存在しているがゆえに問題になる ――本来的には[[未知]を前提にしての予言「的」作品]と[[既知]を前提にしての告知文物]は論理的に両立するものではないわけだが、それらの要素を双方体現しているがために異常無比となるものが存在している(がゆえに問題になる)―― 」

とのことのまとめての解説とした(同じくものことの[異質性を伴っての実在]を示す例は「他にも」「多く」あるわけだが、についてはよりもって後の段で順次示していくことになるとも申し述べておく)。

 ここまでにて

[既知を前提にしての予告(がかったもの)][未知を前提にしての予言(がかったもの)]

が同一のところにあって「奇怪にも」並存していることについて指し示してきたわけだが、同点については

「[未知]がその実、[未知]ではなかった。ブラックホールの生成は随分前から観念されていたにもかかわらず実験機関および科学界関係者が大同団結して「1970年代より観念されていた」そうした可能性についてしらを切り続けていた

とのことが観念されるかの考察を以降なすこととする奇怪性の問題]が[欺瞞の問題]「のみ」で片付けられるのかの考察を以降なすこととする ――明らかな時期的矛盾が実験機関発表文書に表出を見ており、なおかつ、といった露骨なるところを見て見ぬ振り、無視することは当然に[欺瞞]の問題とあいなるであろうが(殊にそれが種族の存続に関わるとなればその咎も増そうとのことになろう)、[欺瞞の根]それ自体が科学者らの責任に帰すなどとは筆者は申し述べていない.その点、勘違いなきように―― )。

(以下、[加速器のブラックホール生成問題の類が「何時から」観念されたのかについての「長くなるも、」の解説の部とする)

 ここでとっかかりとしてそちら文書より挙げるが、オンライン上から誰でもダウンロード可能な英文文書として

Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risks (論稿末部にて This paper was submitted to Physics in Perspective in January 2007 and is scheduled to appear in the June 2008 issue.と表記されているように2007年にドイツのシュプリンガー社が刊行する Physics in Perspective誌に寄稿されたとの回顧録的論稿/訳せば『加速器による災厄のシナリオら、ユナボマー、そして、科学の孕むリスク』とでもなろう論稿で著者を Joseph I. Kapustaジョセフ・カプスタという物理学者とするもの)

という資料がある(同資料、上にて表記の文書タイトルそれ自体 ―― Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risks―― を検索エンジンに入力することで現行、オンライン上にて誰でも捕捉・取得可能な文書となっている)。

 ご覧いただければわかるだろうが、同資料は

[かつて米国を騒然とした爆弾魔の[ユナボマー]ことセオドア・カジンスキーが加速器実験機関関係者にとり驚異となりうるとされていた折柄のことが解説されている資料]

となる(※)。

(※ユナボマーについて:大学関係者および空港施設ばかりを集中して爆弾テロの対象とするそのやり口より University&Aireline Bomberを縮めて[ユナボマー]と呼称されていた爆弾魔(上資料でその犯行が警戒対象となっていたとされる爆弾魔)がセオドア・カジンスキーという男である。同男、ハーバード大に16歳で入学、後にカリフォルニア大学で25歳にして数学の助教としての地位を与えられていたとの人物で世間的には[零落した天才の慣れの果てとしての異常者]と評される人物となっている ――英文Wikipedia[ Ted Kaczynski ]項目にて Kaczynski was accepted into Harvard University at the age of 16, where he earned an undergraduate degree. He subsequently earned a PhD in mathematics from the University of Michigan. He became an assistant professor at the University of California, Berkeley in 1967 at age 25. He resigned two years later.と記載されているとおりである―― 。といった世間的評価が皮相的には至当とも受け取れる式にてユナボマーことセオドア・カジンスキーは大学を離職し、山小屋で隠者のような生活を送りながら、1978年から1995年の17年間、不定期的に爆弾テロを起こして多くの人間を死傷させていた ――同じくも英文Wikipedia[ Ted Kaczynski ]項目にて Between 1978 and 1995, Kaczynski engaged in a nationwide bombing campaign against people involved with modern technology, planting or mailing numerous home-made bombs, ultimately killing a total of three people and injuring 23 others.と記述されているとおりである―― )

 さて、表記の Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risksとの資料、

[かつて米国を騒然とした爆弾魔の[ユナボマー]ことセオドア・カジンスキーが加速器実験機関関係者にとり驚異となっていたとのことが解説されている資料]

であるのと同時に、(表題からしてそのように、アクセレレーター・ディザスター(加速器による災害)とのように明記されているわけだが)、

[加速器実験にかかわるところとして1970年代に地球崩壊のリスクが人知れず検討されていたことが ―その点につきこれより問題視していくわけだが― 言及されているとの資料]

ともなる(:同資料 Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risksの冒頭頁、Abstract(梗概こうがい.要約)の記載箇所にて The possibility that experiments at high-energy accelerators could create new forms of matter that would ultimately destroy the Earth has been considered several times in the past quarter century. One consequence of the earliest of these disaster scenarios was that the authors of a 1993 article in Physics Today who reviewed the experiments that had been carried out at the Bevalac at Lawrence Berkeley Laboratory were placed on the FBI's Unabomber watch list.(訳として)「過去四半世紀(訳注:同資料の作成時と明記される2007年(刊行2008年)から振り返っての過去四半世紀)に渡り高エネルギー加速器が最終的に地球を破壊しかねない新種の物質形態を造り出すとの可能性が何度か顧慮されてきたとのことがある。こうした最も初期のシナリオらのひとつの帰結はローレンス・バークレー研究所の加速器Bevalac(ベバラック)にて実施された実験に関するレヴューを行ったとの著者ら、フィジックス・トゥデイ誌(訳注: Physics Todayとは米国の会員制物理学系学術誌のことである)にての1993年のとある記事の筆者らが(その記事のセンセーショナルな内容から大学関係者を狙っていた爆弾魔である)ユナボマーの標的のFBI監視リストに載せられたことである」(訳を付しての引用部はここまでとする)と記載されていることがまさしくも[地球崩壊のリスク問題が取り沙汰されていたこと]にまつわる話に向けての導入部となっている ――[真空の相転移]という空間そのものの破壊のリスクが加速器にあっては1980年代より取り上げられることになった(後述)のだが、それ以前から加速器には世界を滅ぼすリスクが取り沙汰されてきたということがあり、それを受けての書かれようがここでの直近抜粋部ではなされている(続く内容を参照のこと)―― )。
 
 以下、(「多少、というより、かなり長くなるも、」の)引用をなしつつ表記資料内容にまつわる解説をなすこととする。


| 出典(Source)紹介の部11 |

(オンライン上流通文書 Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risks(訳せば『加速器による災厄のシナリオら、ユナボマー、そして、科学の孕むリスク』とでもなろう文書)、その論稿配布サーバー(arXivサーバー)よりオンライン上にて配布されているPDF版p.7からp.9より掻い摘まんでの原文引用をなすとして)

The primary purpose in combining the SuperHILAC and the Bevatron to form the Bevalac was to create dense nuclear matter in the laboratory for a brief moment of time. During 1974-1975 the first beams of carbon and oxygen nuclei were accelerated up to 2.1 GeV per nucleon and smashed into various nuclear targets. An upgrade was necessary to accelerate uranium nuclei, and in 1981-1982 uranium was accelerated to 1 GeV per nucleon beam energy.
[ . . . ]
When the experimental program at the Bevalac began, no one really knew what to expect when nuclear matter was compressed to three-to-four times the density of atomic nuclei.
[ . . . ]
As noted above, in 1974 Lee and Wick suggested that in a limited domain of space a neutral scalar field may acquire an abnormal value (when compared to the rest of the universe), and that this state may be metastable. If the scalar field has suffciently strong coupling to nucleons, then their masses would be greatly decreased, leading to a yet-unobserved physical system. They suggested that this might occur inside a heavy nucleus, but compressing nuclei in heavy-ion collisions was an obvious way to search for this new state of nuclear matter.
[ . . . ]
The curve in the middle shows a metastable "Lee-Wick abnormal state" at some density above the density in atomic nuclei; this state would eventually decay to the lower-energy state. The curve on the right illustrates an extreme case in which the "Lee-Wick abnormal matter" lies lower in energy than normal nuclear matter; in this case, ordinary nuclei would eventually decay into this new state of nuclear matter. Our knowledge about high-density nuclear matter was so poor at this time that no one could rule out these last two possibilities.
Lee and Wick actually were not the first to publish such a speculation: In 1971 Arnold Bodmer suggested on the basis of quark models and soft interactions between nucleons that collapsed nuclei might be formed. He called the abnormal states shown in figure 5 isomers in analogy to molecular isomeric states, but they soon came to be called "density isomers." For whatever reason, however, Lee and Wick, rather than Bodmer, are usually cited as the originators of the concept of "abnormal" or "isomeric" nuclear states.
No one had a clear idea about how the formation of such new abnormal or isomeric states of nuclear matter could be identified in heavy-ion collisions at the Bevalac. Some said, with tongue-in-cheek, that: "Heavy-ion collisions will compress the nuclei to such a degree that abnormal nuclear matter will be formed in the core of the compressed nuclei. This abnormal nuclear matter, being more stable than ordinary matter, will accrete stuff around it and grow to visible size. Being so massive it will drop to the floor of the experimental hall where one can weigh it and measure its radius, thereby determining its density!" Such an object, however, would be denser than ordinary nuclear matter (2×1014 grams per cubic centimeter) and hence cannot be supported by steel or concrete and would fall to the center of the Earth! Further, what would prevent it from growing larger and larger until it would occupy the entire Earth? Simple estimates suggested that this could occur in a matter of seconds ― and if it did no physicist would be around to be blamed for it! Moreover, it guaranteed that no physicist would ever win a Nobel Prize for the discovery of stable abnormal nuclear matter, since either this new state of nuclear matter does not exist, or the world would end before the Prize could be awarded. No one took all of this too seriously, and experiments with colliding beams of light and intermediate-mass nuclei proceeded apace.

(上に対する拙訳として)
SuperHILACBevatron(1954年から運用開始を見ていた加速器)を結合してBevalacとすることとなした主たる目的はその折に生成が望まれていた高密度の核物質を生成することにあった。1974年から1975年にかけて炭素および酸素の原子核にてのビーム(最初期ビーム)を2.1GeV(2.1ギガエレクトロンボルト/21億ボルト)にまで加速し、それを諸種様々な核の対象らに衝突させた。ウラニウムの原子核を加速するためのアップグレードが必要となっており、1981年から1982年にかけてウラニウムが1核子に対応するビームエネルギーにて1GeVのところまで加速された。
・・・(中略)・・・
Bevalacにての実験計画がはじまった折、誰も核物質が原子核の密度より3から4倍に圧縮された折に何が期待されることになるのか、分かってはいなかった
・・・(中略)・・・
 上にて記しているように1974年、リーとウィックが提案していたところでは「制約を課されての空間の領域、中性のスカラー場では異常な値(他の残りの宇宙と比した際にあっての異常な値)が得られるかもしれず、この状況は準安定的なことになりかねない」とのことであった。「仮にもしスカラー場が核子に対する結合にあって十分に強いものであるのならば、それら質量は甚だしくもの減少を見、未だ観測されざりし物理状態につながるとのことになる」。彼らは「これは重い原子核の中で起こるかもしれないことだが、重イオン衝突時にての原子核の圧縮はこの新しき核物質の状況を探索するのに明らかに適した方法である」と提案していた。
・・・(中略)・・・
 上の遷移図(訳注:元となったPDF資料には三種の状態遷移図が挙げられている)にあっての中程のものは原子核にての密度を超えたところにある順安定的な[ある種の密度におけるリーとウィックの異常状況]を示して見せている。同遷移図の右側は[リーとウィックの異常状況]が通常の核物質より低いエネルギーにて存在しているとの極端な場合を示しているとのものとなり、この場合にては通常の原子核は結果的に新しい核物質の状態へと結果的に崩壊していく。高密度状態の核物質に関する我々の知識はこのとき、あまりにも貧弱なるものであったため、誰も残り二つの可能性を排除することができなかった。
 リーとウィックがそのような推測をした最初の人間ではなかった。1971年、 Arnold Bodmerがクォークのモデルおよび核子らの間の軽い相互作用のところ、その基礎分野にあって崩壊した原子核が形成されることになるかもしれないとの提案をなしていた。彼( Arnold Bodmer )は図5に示されるようなその異常状態をもってして分子にての異性体の状況との類似性を顧慮して異性体(isomer)と呼んだが、しかし、すぐにそれらは密集異性体( density isomers )と呼ばれるようになったいかな理由あれ、しかしながらのこととしてBodmerではなくリーとウィックが一般に異常な、ないしは、異性体的な核の状態の提唱者として知られている
 どのようにしてそのような新種の異常ないし異性体的な核物質の状況の具現化がベバラックにあっての重イオン衝突下にて特定化されうるところなのか、誰にも分からなかった。幾人かの者達は舌先でチークダンスを踊るように軽々しくも次のように述べている。原子核の中心にて異常なる核物質が生成されうるとのそうした程度にまで重イオン衝突が原子核を圧縮するだろう。この異常なる核物質、通常の物質よりも安定しているとのその物質はその「周辺の物質を付着させ増大していき」(訳注:accreteの辞書的定義は Grow or become attached by accretionaccretion付着の過程で成長または付属化させていくとなる)、そして、視認できるほどに巨大化する。とても重い物へと成長していくため、重さを量ることが可能、半径を測ることが可能とのその存在は実験ホールの床に落とし込まれ、そこにはじめて密度を決することができるだろう!そのような物体は、だがしかし、普通の核物質(1立方メートルあたり2×10の14乗グラム)よりも濃厚なるものであるため、鉄製およびコンクリートでは支えきれずに、地球の中枢へと落ちていくだろう!さらに遠くまで行って述べれば、それがそれが地球上のすべてを占有するまで大きく大きくなっていることを妨げるものがあるだろうか。単純な推論はこれが[数秒の間に起こる]と提案し、そして、周囲には物理学者が非難の対象とすべき物理学者がいないとのことになるのかもしれない!加えて、それはいかなる物理学者も[安定した異常な核物質]の発見によってノーベル賞を勝ち得ないことを保証してくれている、というのも、世界は賞の授賞の前に終わりを迎えているからである。誰もこのようなことすべてを重く受け取っておらず、光のビームと中間質量の原子核を衝突させての実験は速やかなる進行を見てきた」.」

(訳を付しての引用部はここまでとする)

(続けて直下、同じくも Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risks(訳せば『加速器による災厄のシナリオら、ユナボマー、そして、科学の孕むリスク』とでもなろう文書)、その論稿配布サーバー(arXivサーバー)よりオンライン上にて配布されているPDF版p.10よりの掻い摘まんでの原文引用をなすとして)

The Unabomber apparently believed that certain applications of science, engineering, and technology were highly detrimental to human society and had to be stopped; this end justified his means. One man suspected that his brother was the Unabomber after he noticed a strong similarity in the style of writing between the Unabomber's manifesto and the letters he had received from his brother. He transmitted his suspicion to the FBI under the condition that if his brother indeed was the Unabomber and was found guilty of his crimes, he would not receive the death penalty. On April 3, 1996, Theodore (Ted) J. Kaczynski was arrested at his shack near Lincoln, Montana ( figure 6 ), which he had constructed himself and had lived in until then.

(拙訳として)
「ユナボマーは明らかに科学、工学、そして、技術のある種の応用が人間の社会に高レベルの損失をもたらすだろうこと、そして、人間の社会はそれを止めねばならぬと信じていた。この目的が彼の手段を正当化していた。とある男が[ユナボマー・マニフェスト](ユナボマーの公開された犯行声明文)と[(その男が)自分の兄より受け取った手紙]の際立っての類似性に気づいた後より彼の兄がユナボマーなのではないかと疑うこととなった。彼(訳注:事件史の問題としてチベット仏教系修道員運営者との顔を持っている David Kaczynskiというユナボマーことセオドア・カジンスキーの実弟にあたる人物がここに表記されての[彼]である)はもし彼の兄がユナボマーであった場合、そして、彼が犯行にて有罪になった場合、彼が死刑を受けないだろうとの条件の下で彼の疑いをFBIに伝えた。1996年4月3日、セオドア(テッド)・カジンスキーがモンタナ州リンカーン群近辺の丸太小屋(図6)、そこはカジンスキーが自身で建築し逮捕のそのときまで住まっていたとのところだが、同丸太小屋にて逮捕された」

(訳を付しての引用部はここまでとする)

(さらに続けて直下、同じくも Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risks(訳せば『加速器による災厄のシナリオら、ユナボマー、そして、科学の孕むリスク』とでもなろう文書)、その論稿配布サーバー(arXivサーバー)よりオンライン上にて配布されているPDF版p.11からp.13よりの中略なしつつもの原文引用をなすとして)

The FBI had placed my good friends and colleagues Subal Das Gupta, Professor of Physics at McGill University in Montreal, and Gary Westfall, Professor of Physics at Michigan State University in East Lansing, on its bomb watch list about a year before Kaczynski's arrest. Westfall allowed the FBI to search his mail for bombs hidden in packages until a month after
Kaczynski's arrest; nothing was ever found. Das Gupta (figure 7), as a Canadian citizen, could refuse to allow the FBI to search his mail, which he did. I asked him why he did, and he replied: "I trust the Canadian postal system, the McGill University postal system, and I trust that my secretary would examine any package carefully before she gave it to me." (He was Chair of the Physics Department at this time.) Nothing was ever found.
Why then did the FBI place these two physicists on its bomb watch list?
Just before the Bevalac was to be turned off in 1993, I thought that the physics community would be well served if an article were published in Physics Today that would summarize what had been learned at the accelerator about dense nuclear matter. I suggested this to Gloria Lubkin, then Editor of Physics Today; she agreed and asked me to recommend authors for it. I recommended Westfall, an experimentalist, and Das Gupta, a theorist, both of whom had been involved with the Bevalac since the late 1970s. After they submitted their manuscript, Lubkin asked me to review it. I strongly supported its publication .
[ . . . ]
To my surprise and satisfaction, Das Gupta and Westfall thanked me "for providing the impetus for writing this article," and they incorporated words from my draft paragraph almost unchanged, namely, writing that: "Meetings were held behind closed doors to decide whether or not the proposed experiments should be aborted." "Experiments were eventually performed, and fortunately no such disaster has yet occurred."
The committee that had met behind closed doors included and reported to Bernard Harvey, Associate Director of LBL's Nuclear Science Division; it is dated May 14, 1979, and I provide a transcription of it in the Appendix. The committee thus met about five years after the first experiments with light ions had begun at the Bevelac, but about two years prior to its upgrade to accelerate heavy ions like uranium. Thus, there apparently was little concern that colliding light ions would lead to abnormal nuclear matter, but considerable concern that colliding heavy ions might. In any case, based upon this one-page report the upgrade of the Bevalac was completed and heavy-ion experiments were carried out with it. No one seriously believed that a disaster of the type imagined could ever occur, given that QCD is the relevant theory of the strong interactions and that high-density nuclear matter should not be described as such, but as quark matter. Nevertheless, this astonishingly brief report was never widely circulated among physicists. Indeed, my request to the LBNL Director's Office for a copy of it was acknowledged conscientiously, but their search came up empty: The LBNL Director's Office has no official record of it.
The FBI thus placed Das Gupta and Westfall on its bomb watch list, because the FBI thought they might be targets of the Unabomber, since they had written about, and apparently had participated in experiments that might have destroyed the human race.

(上に対する拙訳として)
「FBIは私の良き友らにして同僚ら、モトリオールにあるマギル大学の物理学部教授たる Subal Das Guptaとイーストランシングにあるミシガン州立大学の物理学部教授たる Gary Westfallをカジンスキー(ユナボマー)の逮捕のおよそ一年前に爆弾(標的)監視者リストに載せた。Westfallはカジンスキー逮捕の一ヶ月後までFBIに彼への私信に隠された爆弾がないか探すことを許していた。そして、何も見つからなかった。カナダ市民となっていた Das Gupta(図7の人物)の方は彼への私信をFBIが調査することを拒み、実際にそうした。私は彼に何故か、と尋ねた。すると彼は答えた。「私はカナダの郵便制度を信じ、マギル大学の郵便制度を信じ、そして、私に渡す前にいかなる郵便物であれきちんと精査するとの私の秘書を信じていた(このとき、彼は物理学部門の学部長とのポストにあった)。同様に何も見つからなかった。
 それではどうしてFBIがこれら二人の物理学者らを爆弾監視リストに載せたのか?
 加速器ベバラック(Bevalac)が1993年に運用停止に至る少し前、もし Physics Today誌(米国会員向け物理学分野学会誌)に[濃密度核物質]( dense nuclear matter )につき加速器にていかなことが学ばれてきたのかを要約しての記事が載れば、(教訓との意で)物理学コミュニティはより良くも振る舞うだろうと私は考えていた。そこで Physics Today誌の編集者である Gloria Lubkinにこのことを提案し、彼女は同意の上で適任の著者を紹介するようにと私に求めてきた。そこで私は双方ともに1970年代から加速器ベバラック(を用いての実験)に関与してきたとの(先にて言及の向きらとなる)実験家畑のWestfallと理論家畑の Das Guptaを推した。彼らが声明文を寄越してきた後、(フィジックス・トゥデイ誌編集者たる)Lubkinはそのレビューをなして欲しいと私に求めてきた。そこで私は強くもその刊行公開を支持した。
・・・(中略)・・・
私が驚き、また、満足させられもしたところとして、 Das GuptaおよびWestfallは「この記事を執筆する原動力を与えてくれた」とのことで私に謝意を表してくれ、そして、彼らはほとんど手つかずの式にて私の草稿に合筆をなし、次のように書いてきてくれた
提案された実験が中止されるべきか否かの会合は閉じたドアの後ろ側で行われた( Meetings were held behind closed doors to decide whether or not the proposed experiments should be aborted.)」
実験は結局実施され、幸運なことに何ら災厄は発生しなかった( Experiments were eventually performed, and fortunately no such disaster has yet occurred.)」
 閉じたドアの向こう側で実施を見た会合はLBL(ローレンス・バークレー研究所)科学部門のアソシエイト・ディレクターたる Bernard Harveyを含んでのもの、そして、彼に報告されてのものである。それは1979年5月14日の出来事であり、私は付録としてその転写記録を呈示するとのことにした。この会合はこのように最初のベバラックの軽イオンによる実験が開始されてより5年を経て後のものであったが、ウラニウムのような重いイオンを加速させるためのアップグレードには二年ほど先んじてのものであった。このように明らかに軽イオンが異常な核物質の生成をもたらすとの懸念はほどんどなかったわけだが、重イオンがそれをなしうるとの懸念は思慮に値するものであった。なんであれ、この「1ページの」完成を見たベバラック・アップグレードの報告書に基づいて重イオン実験らはそれとともに実行されてきた。QCD(量子色力学/クォンタム・カラー・ダイナミクス)が強くもの相互作用に関わる関係性の理論である、そして、高密度の核物質がクォークがそうであるようにそうした表されようのものではなかろうとの中、誰も真剣には想像されるタイプの災厄が従前起こりえたかもしれないことを深刻には受けとっていなかった。にもかからず(訳注:誰も深刻に受け取っていなかった中でのものである「にも関わらず」との意か)、この驚くべきほどに簡潔な報告書(本件報告書) this astonishingly brief reportは決して広くも物理学者らの間で流通を見なかった。「本当に、」私のLBNL(ローレンス・バークレー国立研究所)責任者部署へのコピーを求めての要請は入念に(訳注:この場合、conscientiouslyコンシエンシャスリーは「良心的に」というより「入念に」と訳されるべきところである)も承認を見、しかし、彼らの調査の結果出てきたのは空っぽのものであった。LBNL(ローレンス・バークレー国立研究所)の統括オフィスはそれについての[公的なる記録]を保持して「いなかった」のだ。
 FBIはこうして Das GuptaおよびWestfallを爆弾標的監視リストに加えた、というのもFBIは彼らが人類を滅ぼしていたかもしれない実験に明らかに参加していたと判断されるかたちで(問題となる物理学分野学会誌に対して)寄稿なしたからユナボマーの標的になるかもしれないと考えたのである」

(訳を付しての引用部はここまでとする)

出典(Source)紹介の部11はこの部までとする)


 ここまで引用なしてきたとのオンライン上流通文書、

Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risks (2007年にドイツのシュプリンガー社が刊行する『フィジックス・イン・パースペクティブ』誌に寄稿されたとの回顧録的論稿/著者を Joseph I. Kapustaジョセフ・カプスタという物理学者とするもの)

の原文引用なした部 ――加速器実験に関わる実験関係者の無責任さがひしひしと伝わってくるような加速器実験関係者による証言が記されているとの部―― より導き出せることは次のことである。

「1970年代からして[[異常な核物質]が生成されその重みがゆえに地球のコアに落ちていく][間を経ずに地球全てを占有するかたちで巨大化する]との懸念があった(1974年にリーとウィック Lee and Wickの二人の研究者、あるいは、彼らの前に1971年に Arnold Bodmerという科学者が発表したところとして異常核物質(分子における異性体(isomers)との相似性から density isomersとも呼ばれていたところの Abnormal Nuclear Matter)がそういう事態を引き起こすとの懸念があった ―「比較的」真剣に取り上げられたのは(長くもの引用部をご覧いただき確認いただきたいが)1974年以降ともとれる中でながらもそういう懸念があった― )」

1979年に至るまでそうしたリスク問題についての安全性会合は催されなかった節があり、また、1979年に催されての会合からして公衆に全く知られぬ奥まったところで実施された( Meetings were held behind closed doors to decide whether or not the proposed experiments should be aborted.)ところとなっており、その公式記録も全く残っていないとの有様である ―ペラ一枚の報告もそれが公的文書としては「どういうわけなのか」存在して「いない」ことになっていた― 

 以上申しようにこの身主観は介在していない(すべて Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risksの著者たる Joseph I. Kapustaという物理学者の申しように依ってのみ導き出せることである ―疑わしきには原文と訳文を対比させながら確認いただきたい― )。

 さて、ここで述べておくが、本段で問題視しているのは

[公衆を食っているような一部専門家やりよう ――地球崩壊のリスクが観念されたのにもかかわらず「人知れず」その会合を催し、また、熱意もないととれる安全検討しかなしていないとの節もあり、その記録だに残していないとのやりよう―― ]

など「ではない」。

 また、本段で問題視しているのは

[そのような問題を全く取り上げない米国メディアの怠慢や同じくもの問題を人間レベルでもたらしている者達を保護しこそすれ、決して問責しようとしない米国当局のやりよう]

など「でもない」(※)。

(※上記のようなことを問題視しているわけ「ではない」と表記した件について書いておくが、
[「人類に目立っての自浄能力などない。だからここまできてしまったのだ」と述べざるをえぬとのことが本稿の[所与]の前提になっている]。
 そうも述べざるをえぬとの重篤なる[情報](属人的主観など介在しておらぬ[情報])を呈示せんとするのが本稿であること、よく精査して黒白判断いただきたいものである ――[マス;過半]として自浄能力なき種であっても[個]として自浄能力を何とか衆に波及させんとする者が(筆者が語るに足る人間と見るところとして)いるかもしれないとの[一縷の希望]を込めてそうも書く―― )

 本稿で上記のようなこと(大げさにではなく、それ自体からして本来的には deadly deception[死に至る欺瞞]と問責されてもおかしくはなかろうとのこと)を問題視したのは

「1974年に世に出た小説らから導き出せる相関関係、
 すなわち、
[[15兆電子ボルトのCEERN加速器](CERN加速器ではなくCEERN加速器)なるものを登場させている小説にして主人公がCEERNの運営するビーム装置を用いて[「底無し」の「黒々とした」「渦を巻く」穴]に自らを極小化させての分身を投入するとの内容の小説たる Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W (邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』]
[極微ブラックホールが重力波通信機から漏れ出して惑星を食うとの内容を有している小説たる The Hole Man『ホール・マン』]

の間に横たわる関係性について加速器実験機関関係者の間の暗流としての認識から説明がなせるのか、より正確には、その暗流に対する認識が一部の作家らに伝わっていたがために説明がなせるのか

ということを考察なすためである(によって説明が付けられないというのならば、「さらに、」その[真なる機序]とその[機序]がもたらしうる帰結に関して思索・考究を巡らせなければならないことになる)。

 それにつき、強くも述べるが、先に長々と引用した文書、

Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risks ](2007年にドイツのシュプリンガー社が刊行する『フィジックス・イン・パースペクティブ』誌に寄稿されたとの回顧録的論稿/著者を Joseph I. Kapustaジョセフ・カプスタという物理学者とするもの)

から導き出せるところの点ら、


「1970年代からして[[異常な核物質]が生成されその重みがゆえに地球のコアに落ちていく][間を経ずに地球全てを占有するかたちで巨大化する]との懸念があった(1974年にリーとウィック Lee and Wickの二人の研究者、あるいは、彼らの前に1971年に Arnold Bodmerという科学者が発表したところとして異常な高密度状況まで原子核を圧縮する同じくもの異常核物質(分子における異性体(isomers)との相似性から density isomersとも呼ばれていたところの Abnormal Nuclear Matter)がそういう事態を引き起こすとの懸念があった ―「比較的」真剣に取り上げられたのは(長くもの引用部をご覧いただき確認いただきたいが)1974年以降ともとれる中でながらもそういう懸念があった― )」

1979年に至るまでそうしたリスク問題についての安全性会合は催されなかった節があり、また、1979年に催されての会合からして公衆に全く知られぬ奥まったところで実施された( Meetings were held behind closed doors to decide whether or not the proposed experiments should be aborted.)ところとなっており、その公式記録も全く残っていないとの有様である ―ペラ一枚の報告もそれが公的文書としては「どういうわけなのか」存在して「いない」ことになっていた― 


との点らは

「1974年に世に出た小説らから導き出せる相関関係、
 すなわち、
[[15兆電子ボルトのCEERN加速器](CERN加速器ではなくCEERN加速器)なるものを登場させている小説にして主人公がCEERNの運営するビーム装置を用いて[「底無し」の「黒々とした」「渦を巻く」穴]に自らを極小化させての分身を投入するとの内容の小説たる Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W (邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』]
[極微ブラックホールが重力波通信機から漏れ出して惑星を食うとの内容を有している小説たる The Hole Man『ホール・マン』]

の間に横たわる関係性について上記のような加速器実験機関関係者の間の暗流としての認識から説明がなせるのか、より正確には、その暗流に対する認識が一部の作家らに伝わっていたがために説明がなせるのか

とのことに関して何ら納得がいく回答を与えてくれはしない

 それは以下の理由による。

・第一。ベバラック運用に関して俎上に挙げられているものはそもそもブラックホールではない。それによる災厄の結果はブラックホールと同様に[地球の根腐れを伴っての崩壊]だが、俎上に挙げられているものが[異常密度の核物質]( density isomers )とのものであり、ブラックホールとは異質なものだと解される

・[時期的問題]と[通用性の問題]も大きなところとしてある。 [異常密度核物質生成「提唱」の時期]については1971年の申しようが科学者の間で市民権を得ずに1974年の申しようが提唱科学者らの名前と同時に受け取られたらしいとのことがある(当該問題について中途半端に告発するような僅少なる文書としての引用元文書によるところ、である)。 とすると、1974年の、問題となる小説刊行時期と同年であり、通用性の問題として小説家がそのような科学者「内」の表沙汰になっていない ――1979年にてのはじめての検討会議すら公衆の何ら知り得ぬところでそのためのやりとりがなされたと引用元資料にて言及されているような式で表沙汰になっていない―― ところのやりとりを汲んでいたのか全く期待できないとのことがある(:尚、ハーラン・エリスンという小説家はお世辞にも科学考証をきちんとやる手合いの作家「ではない」。分類上、サイエンス・フィクションとされている小説をものしてきたとの作家だが、同男の小説は(作者がそも理系人間ではない物書きであることもあり)空想小説との色彩の方が強くも出ている ―だが、それはただの空想小説ではなく悪い意味で寓意的でもある― とのことがあり、俎上として挙げている15兆電子ボルト加速器を登場させている小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans:Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W (邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』からして「10億」電子ボルト(1ジェブ)と「1兆」電子ボルト(1テブ)の別をきちんとつけていないとの表記がみとめられる作品となっている(電子ボルトの単位記述に欠陥があること、先だって細かくも言及・解説しているようにそういう側面がある)との作品となっている)。  また、仮にその額面上に見るおざなりさに反して作家ハーラン・エリスンが汎ミスをなしていたにすぎぬとの反面で科学考証をきちんとなしているとの人物でも1974年に加速器による異常な核物質生成が一部にて取り上げられていたことを認識する立ち位置にいたのか、また、1979年まで当の科学者らですら安全性検討をなしていなかったそのことを「隠喩的に」作品に込める必要性認識と知識保持をなしていのか、極めて怪しいとのこともある。

・これが極めて重要となる。ハーラン・エリスンの Adrift Just off the Islets of Langerhans:Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W (邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』とラリー・ニーヴンの The Hole Man『ホール・マン』の結合関係から出てくる関係式はあまりにも先覚的かつ正確で、1974年(あるいは1971年)から1979年の暗流としての異常核物質生成問題でそのやりようの先覚性・具体性に異議を呈せられるような性質のものではないとのことがある
 先にて呈示の図も併せて参照いただきたいところだが、『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』をものした作家ハーラン・エリスンやりように関しては
現行のLHCの最大出力 ―これよりそこに出力アップするとされるところの14兆電子ボルト― に往時加速器に比して比率ではるかに近しいとの加速器を登場させ(LHCに比しては1.07倍しか強力ではないにも関わらず小説刊行往時のCERN加速器ISRに対しては240倍超も強力であるとの加速器を登場させ)、しかも、その加速器については(先にフェルミ国立加速器研究所由来の資料でもって示したように)小説刊行時の科学界の動向としていまだ[その規模の兆単位の加速器]の構想が青写真としてさえ持ち出されていなかったとのこともが摘示されるところとなっており
1998年の理論動向の変転を見るまでそれが加速器で生成されるとは考えられていなかった極微ブラックホールの生成を言い当てているようなことをなしている、しかも、(どういう料簡でなのか)隠喩的に言い当ててているようなことをなしている
との特性解説がなせてしまえるようなものとなっている。

 表記のことらから
[(後のやりとりとの質的類似性とのからみで)克明さ・具体性が際立っての先覚的言及の存在]
を上記のような異常核物質の生成問題にまつわる暗流としての動向で説明づけようとするところには自ずと無理がある。

 以上が

[1970年代の暗流としての科学者動向では作家らやりよう ―およそ常識ではありえないようなやり方で後の科学発展動向を細やかに具体的に示し、もって、我々全員を殺すことを予告しているといったやりよう― に説明をつけることはできない]

とのことにまつわる解説である。


(※印象論を先行させてのものである」と断ったうえでの脇に逸れての話として

 上にては

Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risks(2007年、ドイツのュプリンガー社が刊行する『フィジックス・イン・パースペクティブ』誌に寄稿されたとの回顧録的論稿)

よりの原文引用を通じて1970年代に
[暗流として加速器による地球崩壊のリスク検討]
が公衆に何ら知られることなく、そして、ほとんど記録が残ることなくなされていたとの経緯があるとのこと、指し示したわけだが、同じくもの論稿ではその暗流のことが一部顕在化を見た、1993年発表の米国物理学分野会員誌( Physics Today )にて取り上げられることとなり顕在化を見た際にその企画に関わった物理学者らが一犯罪者による爆殺挙動を防ぐべくもの当局の監視兼保護対象となったとのことが取り上げられている。
 すなわち、
[科学技術の深化が人類に重篤な打撃をもたらしうるとのことを信じていたとの格好]
で大学関係者や空港施設に爆弾を送りつけて犠牲者を立て続けに出していた爆弾魔ユナボマーの爆殺挙動の標的になることを恐れた当局によって監視兼保護対象となったこともが取り上げられている。

 同じくもの点につき問題となるところとしては ――「であるから、」どういう意図が論稿作成者にあったのか、と思われるところとして――  次のようなこと「も」ある。

「爆弾魔ユナボマー(ネオ・ラッダイト活動、機械文明の行きすぎた進行を破壊的挙動によって阻止するとの建前を掲げていたもののその実のただの殺人鬼との評価が至当ともとれるセオドア・カジンスキー)と加速器による地球破壊が取り上げられた研究機関(ローレンス・バークレー国立研究所)の間には「論稿内では明示されていない」ところの深い関係性が存在する。
 ユナボマーことセオドア・カジンスキーは
[カリフォルニア大バークレー校]
にて史上最年少の助教に就任、そこにて ―学生からの受けは良くなかったものの将来を嘱望されての大学教員として― 位相幾何学および関数空間について講じていたとのことが知られている者となる(出典として:オンライン上より誰でも確認できるところとして和文ウィキペディア[セオドア・カジンスキ-]項目には(原文引用するところとして)[(セオドア・カジンスキーは)ミシガン大学で数学の修士号とPh.Dを取得。1967年に、25歳でカルフォルニア大学バークレー校の助教に就任した。カリフォルニア大学バークレー校では学部生に、位相幾何学や関数空間を教えていた。彼に対する専門性の評価は高く、大学の教員であり続けることのみならず、教授への昇進も期待されたほどだったという。しかし、教えたコースの学生からの評価は良くなく、多くのクレームがあった](引用部はここまでとする)と記載されている。また、ウィキペディアのように記載内容の変転は観念できないところとして同じくもオンライン上より確認できるようになっている問題としているPDF論稿 Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risksのp.11には he was appointed to an assistant professorship in the Mathematics Department at the University of California at Berkeley, from which he resigned without explanation in 1969. Calvin Moore, Vice Chairman of the Mathematics Department in 1968, said that "I think he could have advanced along the lines and been a senior member of the faculty." (訳として)「(カジンスキーの専門性より)彼はカルフォルニア大バークレー校の数学部門の助教に指名され、1969年に説明することもなくそこを辞めるまでその職にあり続けた。カルヴィン・ムーア、1968年当時の数学部門の副学部長は「かれは学部のシニア・メンバーに進む道をすすむことができたと考えている」と述べている」(訳付しての引用部はここまでとする)と記載されている。問題なのは the University of California at Berkeleyにまつわる縁(えにし)である)。
 他面、世界を崩壊させる装置としての加速器のことが問題視されだしたBevalacの実験が行われていたのも
[カリフォルニア大バークレー校]
の中に門を構える同校の一部と化しているローレンス・バークレー国立加速器研究所である(ローレンス・バークレー国立加速器研究所の運営・管理はカリフォルニア大学バークレー校が担っている(管轄はアメリカ原子力委員会転じての米国エネルギー省)。細かくは英文Wikipedia[ Lawrence Berkeley National Laboratory ]項目にて[ The Lawrence Berkeley National Laboratory (LBNL, LBL), also known as the "Berkeley Lab", is a United States national laboratory located in the Berkeley Hills near Berkeley, California that conducts unclassified scientific research on behalf of the United States Department of Energy (DOE). It is managed and operated by the University of California, whose oldest campus, the University of California, Berkeley's main campus, it overlooks. Plans announced by the university in 2012 called for a second Berkeley Lab campus to be built on land it owns nearby at Richmond Field Stationと記載されている通りである)」

 上をただの奇縁で済ませてよいところか。その点、カリフォルニア大バークレー校に関しては(世界の中枢、アメリカの大学らしく)その学生数からして極めて多く万単位の人間がそこにてうずめいているようだが、ユナボマーことセオドア・カジンスキーは理論物理学よりもさらに純粋性を深化させての数学、理論物理学にツールを提供する数学を専門にして、位相幾何学に関する専門性の高さがゆえに同大学に最年少の助教として職を得ていたとの向きである。
 であるから、「お身内」の問題としてLBNL(ローレンスバークレー国立加速器研究所)で運営されているBevalacに関して
[世界崩壊の問題(異常に高密度な核物質に由来する人災としての世界崩壊の問題)]
が取り沙汰された(明示的には1979年に取り沙汰された)との前に同じくもカリフォルニア大学バークレーの数学科を(1969年に)去ったセオドア・カジンスキー、同男の凶行が(いいだろうか、連続爆弾テロがバークレー最年少教員だったカジンスキーの犯行によると発覚するその「前」から)[バークレーにての世界破滅に通ずると懸念視されていた挙動](物理学専門会委員誌に載せられた往時ベバラックにてのリスク発生にまつわるやりとり)と当局によって結びつけられていた
というのはやはり ―専門領域の近接性もあって― 奇縁となる、との問題が首をもたげてくると解されるところである。

 につき、 ――[過度に行き過ぎての印象論に傾いての話]を確信犯的にそうしたものだと断ってなすのだが―― ユナボマーが仮に[スパイス]として用意された性質の悪い[お人形さん]であれば、どうか(向きによっては『誰が何の目的でそういうものを[スパイス]として用意しているというのか、用意できるというのか』と思われるかもしれない。そして、当然に『馬鹿げているだろう』と全否定したいところかもしれない。だが、本稿の内容を最後まで読めば、「仮にそういうことがあると仮定した場合、」誰が何のためにそういう[人形]を用意できるのか、また、どうしてそうしたことをやっているのか、ということをかなりの程度までお分かりいただけるであろうと請け合う ――ちなみにユナボマーについては(仮に実際にそこまでやっても[科学の殉教者]を造るだけに終わっただろうが)[バークレーでリスクあることに関わった人々は標的にしていない]とのことは上にて抜粋の論稿でも示されているところである―― )。

 また、加えての不快なる仮定を差しはさむところとしてユナボマーと同様の特質を兼ねそろえている類(人間の尊厳の問題を語る資格もないとの人間の尊厳に対する観念が欠如している類)でありながら権威の側に居所を得ている人間らが
[我々を全員を殺す[落とし穴]を[その実の空っぽの中身しか伴っていない、あるいは、悪魔に媚びを売ることしかできない存在]として構築している]
可能性は[ない]と言える、言い切れるのか。

 本稿では ――当然に知っていてであろう、ユナボマーとバークレーの関係について論じることがなされていないとのオンライン上流布論稿 Accelerator Disaster Scenarios, the Unabomber, and Scientific Risksから「何歩も何歩も先に進み」―― 逆のこと(楽観的になどなれはしないとのこと)は明言できるが、その伝で希望的観測は一切なせない、そのことまで論じようとのものである (尚、ここでのユナボマーとバークレー人脈のつながりあいの話は半ば愚にも付かぬ印象論となってはいるが、本稿はそうした印象論を斥け、基本的に堅い[論拠に依拠しての話]のみに重きを置いているとのものとなり、といったやりようでのみ、同じくものこと、希望的観測などなせないのが本当の状況であるとのことを[証示]していくものであると揚言する。[そこまでのことをはきと呈示されて何かを変ええないのならば、そうした種族のありよう自体が悲劇であろう]との式にて、である)。

(脇に逸れての話はここまでとしておく)


 (極めて重要なことであると言わざるをえないことにまつわる)考察を続ける。
 次いで、

「1974年に世に出た小説らから導き出せる相関関係、
 すなわち、
[[15兆電子ボルトのCEERN加速器](CERN加速器ではなくCEERN加速器)なるものを登場させている小説にして主人公がCEERNの運営するビーム装置を用いて[「底無し」の「黒々とした」「渦を巻く」穴]に自らを極小化させての分身を投入するとの内容の小説たる Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W(邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』]
[極微ブラックホールが重力波通信機から漏れ出して惑星を食うとの内容を有している小説たる The Hole Man『ホール・マン』]

の間に横たわる関係性について速器実験機関関係者の間の暗流としての認識から説明がなせるのか、より正確には、その暗流に対する認識が一部の作家らに伝わっていたがために説明がなせるのか」

とのことに関して

すくなくとも粒子加速器実験にあっては1980年代に入ってから
「真空の相転移」
との現象を引き起こす可能性が取り沙汰されだしていた

とのことについて「も」 ―ブラックホール生成問題と同様、加速器に起因する破滅的リスク具現化の可能性が問題視されたとのことでもあり― 取り上げておくこととする。

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直下、本稿冒頭部へのリンクを設けておく

(⇒冒頭頁へは下の部より)

[典拠紹介部第1頁 加速器実験に伴う欺瞞性から証示なせることについて]

 上にて挙げているのはドイツ浪漫主義芸術の巨匠たる18世紀画家、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ(Freemasonでもあったとの画家 Caspar David Friedrich)の手になる一品、

Der Wanderer uber dem Nebelmeer雲海の上の旅人』(に多少の[動き]をアレンジとして加えたもの)

となる。

 言われようの問題として一般に、

[人間の崇高なる精神が高みを目指し、ついぞ多くの物事を達観するに至った時、その折の孤独と感慨を描いた画]

などと形容される上掲の『雲海の上の旅人』に関して(本稿でもその言行を順次・段階的に取り上げることになるとの)物理学者リサ・ランドールは[次のような申しよう]をなしている。


(直下、物理学者リサ・ランドールの手になる著作 Knocking on Heaven’s Door『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)にての CHAPTER THREE LIVING IN A MATERIAL WORLD[第三章 物質世界に生きる]の章の記述内容 ――オンライン上検索エンジンにあっての原文検索にて該当部特定できるところの記述内容―― よりの原文引用をなすとして)

Our universe is in many respects sublime. It prompts wonder but can be daunting ―even frightening― in its complexity.  Nonetheless, the components fit together in marvelous ways. Art,science, and religion all aim to channel people’s curiosity and enlighten us by pushing the frontiers of our understanding. They promise, in their different ways, to help transcend the narrow confines of individual experience and allow us to enter into―and comprehend―the realm of the sublime. (See Figure 11.)
          [ . . . ]
[ FIGURE 11 ] Caspar David Friedrich’s Wanderer Above the Sea of Fog (1818), an iconic painting of the sublime ― a recurring theme in art and music.

(上の原著引用部に対する[訳文]として国内流通訳書『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)ハードカヴァー版にあっての81ページに記載されているところを引くとして)

多くの点で、私たちの宇宙は崇高だ。その複雑さは好奇心を駆り立てはするが、無力感も抱かせるし、ことによっては恐怖さえも感じさせる。にもかかわらず、宇宙の構成要素は素晴らしくぴたりと絡みあっている。芸術、科学、宗教は、いずれも人々の好奇心を促して、理解の限界を広げさせ、それによって私たちを啓蒙することを目指している。いずれもそれぞれのやり方で、個人の経験の狭い領域を越えさせることを約束している。それがかなえられたとき、私たちは崇高なものの領域に踏み込む――そして理解する――ことができるのだ(図11を参照)。 …(中略)… [図11]ドイツの画家カスパー・ダーヴィド・フリードリヒの「雲海の上の旅人」は、崇高なものを象徴的に描いた作品だ。崇高さは、美術と音楽に繰り返し登場するテーマである

(以上をもって Knocking on Heaven’s Doorにての原著表記および訳書よりの引用とした)


 さて、何故、ここ脇に逸れての部にあって「目立つように」特定絵画 ― 『雲海の上の旅人』― を挙げ、その絵画に対する物理学者の評しよう ―「雲海の上の旅人」は、崇高なものを象徴的に描いた作品だ....― などを引いたりもしたのか

「それは、」
絵画『雲海の上の旅人』に対して直上引用なしたような評しようをなしているとの物理学者リサ・ランドールが

加速器によるブラックホール生成可能性にまつわるトピックの理論深化に一廉ならぬ貢献をなしているとの著名物理学者

[[崇高なるもの]を目指しての宇宙の探求(およびそのための装置と銘打たれている巨大加速器LHC)の称揚・礼讃をなしているとの向き

であるとのことがあり、また、なおかつ、彼女リサ・ランドールの手による、(絵画『雲海の上の旅人』を科学者が目指しての[崇高さ]とを結びつけている)引用元著作 Knocking on Heaven’s Door『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)が

人間のありよう(崇高さとはおよそ程遠いところにあるありよう)]
人間の辿る運命

を嘲笑うような[嗜虐的寓意]で満ち満ちていると申し述べられるようになっている著作であるとのことがある、遺憾ながら
[理の当然]
として申し述べられるところとしてある ――個人のせせこましい偏頗(へんぱ)な主観などとは一線を画したところで客観的かつ具体的にこれはこうでこうだと申し述べられるようになっている(出典呈示を第一義にしての本稿では無論、その論拠を事細かに挙げる)とのところとしてある―― からであり、そのことに注意を向けたかったからである(※)。

(※上にて引用元とした著作、 Knocking on Heaven’s Door『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)、同著にあってはその冒頭部より
September 10, 2008, marked the historic first trial run of the Large Hadron Collider (LHC). Although the name―Large Hadron Collider― is literal but uninspired, the same is not true for the science we expect it to achieve, which should prove spectacular. (表記英文引用部に対する訳として)「2008年9月10日、ラージ・ハドロン・コライダー(LHC)が歴史的始動を見た.[ラージ・ハドロン・コライダー]との名称は有り体に言ってインスピレーションを何ら与えぬとの平凡なものだが、私たちがそれ(LHC)に[証明すべきととらえている壮大なる挙]を託しているとの意では[科学(の進歩)]にとり同じくものことは真実とはならない(LHCは際立ってのインスピレーションを与えるものである)」
などとのことが書き記されている。
 そうもした書きようが目立ってもの冒頭部にてみとめられる著作ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアにおける表題、 [天国のドアをノックする]の由来についてリサ・ランドール女史は同じくもの著作の中で次のようなことを述べてもしている。
(以下、 Knocking on Heaven’s Doorにての CHAPTER FOUR LOOKING FOR ANSWERSより引用なすところとして)
I first heard the phrase “knockin”on heaven’s door”when listening to the Bob Dylan song at his 1987 concert with the Grateful Dead in Oakland, California. Needless to say, the title of my book is intended differently than the song’s lyrics, which I still hear Dylan and Jerry Garcia singing in my head. The phrase differs from its biblical origin as well, though my title does toy with this interpretation. In Matthew, the Bible says, “Ask, and it shall be given you; seek, and ye shall find; knock, and it shall be opened unto you: For every one that asketh receiveth; and he that seeketh findeth; and to him that knocketh it shall be opened. (以上原著表記に対して訳書『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)ハードカヴァー版[第四章]103ページにての表記を引くとして) Knocking on Heaven’s Door(天の扉を叩く)]――これが本書の原題だが、私が最初にこのフレーズを聞いたのは、一九八七年、カリフォルニア州オークランドでのグレイトフル・デッドとのコンサートで、ボブ・ディランが『天国への扉』を歌うのを聞いたときだった。いまでも私の頭の中ではディランとジェリー・ガルシアがこれを歌っているのが聞こえてくるけれど、いうまでもなく、私の本のタイトルは、この曲の歌詞とは意味が違っている。このフレーズは出典である聖書の一節とも違っているが、私のタイトルはこちらの意図を拝借したものだ。聖書の「マタイ伝」には、このように書かれている。「求めよ。さらば与えられん。尋ねよ、さらば見いださん。門を叩け、さらば聞かれん。すべて求むる者は得、たづねる者は見いだし、門を叩く者には開かれるるなり
(以上、引用部とした)
 といったところ、新約聖書のマタイ伝にあっての
[求めよ。さらば与えられん。尋ねよ、さらば見いださん。門を叩け、さらば聞かれん。すべて求むる者は得、たづねる者は見いだし、門を叩く者には開かれるるなり]
とのフレーズ、それが
[天国の門]・[天国への扉]・[天国への階梯](ステアウェイ・トゥ・ヘブン)
との兼ね合いでいかように嗜虐的なる別側面での意味( Double Meaning )と共にあるのか、そのことからして具体的典拠を挙げ連ねるとの式で遺漏無くも事細かに示そうというのが本稿の本義であるとここ脇に逸れての部にあって訴求しておきたいとの意図が筆者にはある)

当サイト内にあっての【各頁および各典拠への一覧方式遷移部】、及び、【PDF形式文書配布ページ】へのリンクを直下、設けておく

各頁および各典拠への一覧方式遷移部へは以下より


問題となる「予見的言及→実現」の体系についての[典拠紹介部]一覧呈示頁

PDF形式文書配布ページへは以下より


典拠解説媒体としての[一括PDF文書]の公開頁

ここ本頁内にて[参照先]として挙げている【「容易に後追い確認なる」「堅い」ソースを呈示しての出典紹介部ら】、それぞれへの[遷移経路]を設けておく (:クリックすることでブラウザ ―インターネット閲覧ソフト― の[別タブ(別枠)]にて典拠紹介部を表示( open "additional" tabbed window(s) of web browsers ))

[出典(Source)紹介の部6]から[出典(Source)紹介の部10]70年代に遡るところとして[欧州CERN加速器によるブラックホール生成]を臭わせている風が如実にあるとの[複数フィクション]が存在していることにまつわっての典拠紹介部6から典拠紹介部10)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)

[出典(Source)紹介の部6]
典拠紹介部第6頁 70年代小説らに見る「克明無比なる」ブラックホール生成に通ずる言及Source6)

[出典(Source)紹介の部7]
典拠紹介部第6頁 70年代小説らに見る「克明無比なる」ブラックホール生成に通ずる言及Source7)

[出典(Source)紹介の部8]
典拠紹介部第7頁 『ホール・マン』と『ランゲルハンス島沖を漂流中』の繋がり合いSource8)

[出典(Source)紹介の部9]
典拠紹介部第7頁 『ホール・マン』と『ランゲルハンス島沖を漂流中』の繋がり合いSource9)

[出典(Source)紹介の部10]
典拠紹介部第8頁――加速器実験に伴う欺瞞性、 そして、そこより証示なせもすることSource10)